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ほいくえVoice

【vol.9後編】かけがえのない財産

更新日:2021.6.1|2(2週間) / 138(累計)

みーさん

30代 保育士歴11年目

株式会社の認可保育園勤務

 

みーさんのインタビュー前編はこちら

 

―前編を伺ってきて、問題は山積みなのだと感じます。何か一つ小さなことからでもできることはありますか。

 

園の中で唯一自分のクラスが、そこそこ経験のある2人担任なんです。今は自分達のクラスで手いっぱいですが、もう少し落ち着いてきたら、他のクラスの手助けもできるようにしようとペアの先生と話しています。保育のフォローに入るとか、行事の作り物を多めに引き受けるとか、それくらいのことかもしれないんですけど、まずはそういう小さなところから。あとは後輩の話を聴いて相談に乗っていきたいです。

 

―同じ苦労をしながらもそのように見守ってもらえていたら、後輩の先生方も心強いですね。みーさんご自身の目標は何でしょう。

 

うーん、ひとまず毎日仕事に行くことですかね...!あとは、新鮮な気持ちで楽しく保育をすること。年数を重ねるごとに色々なことに慣れてくるのを感じていて、子ども達の成長にも感動が薄らいできてしまっています。せっかく今年久しぶりに2歳児担任になったので、改めて気を引き締め、楽しんで保育をしたいです。あと毎年自分の目標にしているのは、その年齢で最大限引き延ばせるところまで子どもの成長をサポートすることです。自分が担任をした子たちは本当に可愛いし、愛おしくて仕方ない。この子達がこれから違う担任や違う園など新しい環境に行った時に、不自由なく楽しく過ごせるようにしたい。そういう思いで、一人ひとりに応じて力を最大限引き伸ばせるよう考えて接しています。

 

―すばらしいです。みーさんの、子どもが大好きな気持ちが伝わってきます。

 

好きですね!自分も子どもの頃幼稚園が大好きだったんです。そして先生にしてもらったことを断片的ながら覚えています。だから今見ている子ども達にとっても、あの先生、一緒に喜んでくれて嬉しかったなとか、ちょっと怖かったけど今思うとこういうことを伝えたかったんだなとか、少しでもプラスの意味で心の片隅に残る先生になれたらいいなって思います。

 

―それだけ子どもが好きで、子どものためにできることをしたいと考えていらっしゃるのですね。しかしながら今の職場には問題が山積みで…園を変わることはお考えでないのですか。

 

それは毎年考えます。でもどの園も外から見るだけじゃ内情は分からないじゃないですか。もし他の園に行って、ここよりひどい待遇だったらどうしようと正直怖いんです。また辞めることになってしまったらそれこそ大変。そう思うと、今の所で黙って働いているのがいいんじゃないかと思ってしまい、ここまで続いています。転職した人の話を聞いても、本当にホワイトな園ってあるのかなとさえ思ってしまいます。会社が変わってくれるのを期待しているんですが、それも全く変わらないですしね…ぶっちゃけた話、私11年目で、手取り17万円なんですよ。住居の借り上げ制度があるからなんとかやっていけている状態です。

 

―11年目で17万円、それはどう考えても低すぎませんか⁉

 

ですよね~借り上げ制度もまもなく終わるようで、そうなったらいよいよ他の園を考えます。

 

―みーさん、変わりましょう。会社が動くのを待っていてもきっと何も変わりません。少し勇気がいるかもしれませんが、ここはみーさんが動くしかない気がします。

 

やっぱりそうですよね…。今回、お話できてよかったです。

 

―最後に、ぜひご自身の魅力を教えてください!

 

1つめは、後輩の話を聞いて、教えられることは丁寧に教えたり、一緒に悩んだりと寄り添っています。

2つめは、今の職場では歴が長い為、自分の気持ちはもちろん、他の職員の意見や気持ちを園長、主任、社長にも直接伝え、少しでも職場環境が改善されるよう頑張っています。

3つめは、子どもたちには注意することもしばしばありますが、その倍大好きだよという気持ちを言葉などで伝えるようにしています。本当に大好きなので!

最後4つめは、子どもたちと一緒に自分も全力で楽しんでいます。楽しいことをいっぱい共有しながら保育できたらいいなと思っています。

 

 

ショッキングなお話をたくさん伺った最後にみーさんの魅力を聞き、涙が出る思いがしました。大変な環境の中でも、保育の夢を捨てずにここまで続けてこられ、「子どもが大好き。愛おしい」と柔らかな笑顔でおっしゃるみーさん。そう思えることって、ご本人の長所という枠にとどまらず、存在が社会にとって財産でないかとさえ感じます。かけがえのない財産を、これまでどれ程見す見す失ってきたことでしょう。私たちにできることは何だろうかと改めて考えさせられる、貴重なお話でした。みーさん、この度は誠にありがとうございました。

 

(2021.4.21 聞き手・編集:土屋)

 

 

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