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ほいくえVoice

【vol. 7前編】見えづらいものを見つめる保育の仕事

更新日:2021.6.1|7(2週間) / 268(累計)

よっしーさん

1988年生まれ 保育歴13年目

私立認定こども園 5歳児クラス担当

 

−早速ですが、保育士になったきっかけを教えてください!

 

自分は元々電気系の工業高校に通っていました。高校2年生の、忘れもしない夏のある日のこと。親が実の子を陸橋から落とす、という衝撃的な事件をニュースで耳にしました。その時不思議と「自分がなんとかしないといけない」と、熱い使命感のようなものが湧き出てきたのです。そういう自分自身から芽生えた気持ちを無視したり押し殺したりするのは嫌だな、と。その後職場体験で保育園に行ったらすごく楽しかったので、専門学校に進学して保育士を目指すことにしました。

 

−それは大きな方向転換でしたね。それからは保育士一筋で?

 

いえ、実は3ヶ月間だけ保育から離れたことがあります…。

 

−なぜなのか、そしてその3ヶ月間どんなことをされていたのか気になります。

 

保育士になって7年経った頃だったと思うのですが、心機一転自動車販売の営業職に転職しました。プライベートでは家族が増えて、マイホームを購入してと、大きな変化の年でした。嬉しい充実感がある反面、このまま保育士として働いていても給料上がらないな、どうしようか、という不安もあって。営業職の研修を3ヶ月間だけ受けて、結局は元の職場に戻って現在に至る、という感じです。

そこの上司が酷い人でとてもやっていけないな、と感じたこともありますが、仕事内容もこれまで保育士だった自分には違和感でした。営業は数字を取ってなんぼの世界。保育はその正反対で、数字では表せない、目には見えづらい、認知しづらいものを見つめる仕事なんですよね。やっぱりこれだよな、自分は保育が好きだ、頑張りたい、ということに気付けた、保育士として自分が大切にしたいものを改めて知るのに良い機会でした。

 

−保育士としての復帰先として、前の職場以外は考えなかったのでしょうか?

 

転職サイトに登録をしたり、気になる保育園を探したり、自分なりにいろいろと見てはいました。ただ日々の生活がある中で、じっくりと時間をかけて転職活動ができたかというと、そこまでの余裕はなかったですね。

前から知っている人ともう一度働ける安心感はありましたし、職場側もそういうことだったら是非、と歓迎してくれた。離職前と全く同じ待遇条件で迎えてくれた厚意もとても嬉しかったです。それと男性保育士が結構いる、というのもポイントでしたね。

 

−職場には男性保育士がどれくらいいるのでしょう?

 

一つのクラスに一人はいる感じですね。転職活動をしていると、男性保育士ゼロの保育園もありました。正直そういったところを就職先、転職先として考えるのは、男性保育士にはハードルがあります。男たちの連携は仕事をする上でやりやすいところがあるので、どんな男性保育士がどれほどいるのかは重要な、知っておきたいポイントだと思います。

 

 

工業を専門で学んでいた高校時代から保育士を目指す際の方向転換、保育士を離れて営業職をした経験を中心にお伺いしたインタビューでした。自分自身の直感をいつでも大切にする、信じる姿勢がとても素晴らしいよっしーさん。そういったご経験や姿勢は、子どもたちへの関わり合い、普段の保育にも表れているんだろうなと感じました。

よっしーさん、貴重なお話をありがとうございました!

 

よっしーさんのTwitterはこちら

 

次回のインタビューではよっしーさんが「若手保育士に期待すること」についてお届けします。お楽しみに!

 

(2021.4取材 聞き手・編集:鏡味)

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