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ほいくえVoice

【vol. 19後編】人あっての仕事

更新日:2021.10.31|18(2週間) / 36(累計)

せや先生

保育歴1年目

20代 私立認可園勤務

 

せや先生のインタビュー前編はこちら。

 

−せや先生が人付き合いをするときに心がけていることってどんなことでしょう?

 

自分を大事にしようとすることです。自分の気持ちは大事にして、好きなことだけではなくできないことや乗り気じゃないことも、ちゃんと伝えるようにしています。自己主張を大切にした他者尊重というか、自分もそうしてもらえたほうが、信頼できますよね。気を使われたくないですし、無理もさせたくないですし。

 

−とても温厚そうに見えるせや先生、苦手な人はいないのでしょうか?

 

苦手だと思うことは…あります。この人の〇〇なところが苦手だとしても、その人自身に「苦手」というレッテルは貼らないようにしています。子どものときから、この遊びはAくんとはしたくないけど、この遊びだったらAくんとしたい、みたいな感じでした。あとは近所のおじさんに「嫌いって言ったら嫌いになるんやぞ!」と言われたことも妙に記憶に残っていて。当時は意味がわからなかったけど、自分にとって良い言葉だから覚えているのかもしれません。

 

前編では「人生で一番面白い毎日」を過ごされているとお伺いしました。職場の良いところはどのようなところでしょうか?

 

一年目の自分にも裁量権があって、発信したりチャレンジしたりしやすい環境が良いです。自分の意識で保育している感がありますし、やってみたことに対して先輩方からフィードバックももらえます。いまペアを組んでいるのは40代の方ですが、学ぶ対象を選ばない姿勢が素晴らしいです。一年目の私にも「構成構造遊びで、積み木を使って街を作りたいのだけど、せや先生がこの間すごく上手だったからアイディアややり方を教えてほしい」「学校で最新の保育を学んできているのはあなただから、いろいろな話を聞かせてほしい」と言ってくださいます。長年保育してきたプライドももちろんありますし、今と昔だったり、他の人との保育観だったりの、違いを楽しむ、学ぶ意欲も感じます。

 

−学び合える環境、人間関係が素晴らしいですね!せや先生も書籍や研修などで、学びを深められているとか?

 

はい、先日もデンマーク放課後アクティビティに関する研修を受けました。時差があって夜中の受講でしたが(笑)今度は長崎県の研修に行く予定です。園長は他業種から来た人で、人材投資の考え方を強く持っている方です。興味がある研修はすごく前向きに検討してくれます。保育は人あっての仕事なので、保育園がもっと自園の保育士を大切に育てる意識があってもいいのでは、と思います。

 

−自園の保育士を大切にしないと、みんな辞めてしまいますよね。それで一番困るのは保育園だと思うのですが…。

 

それが全然困らないんですよ。同級生の保育園で最近一斉退職が起きたのですが、すぐ新しい人をバンバン入れて立て直せてしまう。やっていけるんです。辞めてもすぐ入る、コスト的にも新人のほうが得、指導しやすい、保育園は困りません。育てるよりも新人を入れるメリットが大きすぎる現状、なんとかなってしまうことが問題だと思います。

 

−なるほど…一番困るのは子どもかもしれないですね。最後に、せや先生にとって保育とはどんな仕事でしょう?

 

プロデューサーみたいな仕事、でしょうか。遊びや生活をバリバリ主導する訳でもなく、教師のように上から教えるわけでもない。保育士が主役になるわけでもない。そんな特殊な立場の保育士という仕事はきっと、子ども達のワクワクや学び、遊びから生活までをトータルコーディネートする“子どもたち一人ひとりのプロデューサー”!私は趣味で音楽をやっているので、そういう言葉になるのかも知れません(笑)

子どもに好かれる保育士になるために「笑顔を絶やさない」「いつも元気に」を心がける保育士もいるかと思います。保育園にとってそういう存在はとても大切だと思います。一方で「子ども」とひとくくりに言っても、子どもも一人ひとりの人間なので、合う合わないとか、ありますよね。いつも元気な先生が好きな子どももいれば、静かに寄り添ってくれる先生に安心する子どももいる。子どもの前で元気にニコニコしているだけの仕事ではないですし、頑張ってそうなろうとすることは、果たして良いことなのかな?と考えることも。私たち保育士も一人ひとり違うことを認められたら、多様性を認め合う、一人ひとりの子どもの幸せを願える社会に近づくのかなとも思います。

 

【せや先生×保育のひとコマ】

【保育×ロジカル】

保育もどんなレンズで覗くのかで見え方が大きく変わる!理論を学ぶことはレンズを増やす事!私は『保育は理論でもっと面白くなる!』を合言葉に日々学んでいます。(せや先生)

 

「保育の理論、研究って本当に進んでいるんです。それが現場にきちんとフィードバックされていないのが、引っかかっていて…」と、せや先生。理論や仕組みを見直すと、保育が楽になることも多いとお話くださいました。声量のコントロールが難しい園児に対して、体力気力を使って抑えるのではなく「なぜ?」と立ち止まって理由を探してみること。いつ大きな声になってしまうのか、要因解析を始めたところ、時間帯や状況のパターンが掴めてきたとのこと。理由を探る、理論や仕組みを見直す。生産現場で論理や根拠を重んじ仕事をしてきたせや先生だからこその、視点や行動力だと感じました。余談ですが編者も理系出身、前々職は生産拠点勤務でしたので、本当に楽しいインタビューでした。この度は貴重なお話をありがとうございました!

 

せや先生のTwitterはこちら

 

(2021.7 聞き手・編集:鏡味)

 
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