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ほいくえVoice

【vol. 24後編】みんな幸せな保育は楽しい

更新日:2022.1.17|3(2週間) / 218(累計)

ひまわりさん
50代 保育士歴31年目
学校法人の保育園勤務 リーダー
 
ひまわりさんのインタビュー前編はこちら
 
―卒業後最初に勤めたのが乳児保育所で、現在に至るまで5つの職場、0歳児から年長児を担任、さらに社会福祉法人・株式会社・学校法人と、経験豊富ですよね。辞めたいと思ったことはありませんでしたか?
 
最初に勤めた乳児保育所にて、12月の土曜保育をしていた時です。保育中に1歳のお子さんが転んで顎に擦り傷ができたときに「受診するほどではない」と判断したら、保護者が連絡帳に怒りを書いてきました。クリスマスの予定もなしにした、子どもは不機嫌ですと言われて、園長には頭ごなしに怒られ、年末年始休暇に反省文の宿題が出て。「擦り傷で受診なんてしなきゃいけないとは思えない」という想いと、どうして園長も理解してくれないのだろうという想いもあり、唯一ゆっくり休める年末年始休暇に宿題まで課されて、「なんで?」と思いましたね。
一人暮らしのおばあちゃん園長がいる保育園に主任として勤めていたときも大変でした。「今日ごはん食べに行くから!」と声をかけられると、翌日早番があっても夜10時まで帰れないんです。休日に「あんた今何してるの?」と連絡があったことも。その時は小学校の同級生と食事していたのですが、慌てて帰る私を見て「辞めたら?」と言われました。結局そこの職場は園長との不和で、あることないこと言われて攻撃されて、辞めてしまいましたが。。。
 
―なかなか信じられない、パワハラのようなことが横行していたのですね。ひまわりさんが考える、「自分に合った保育園の見つけ方」ってありますか?
 
一番は「園長」だと思います。園長も子どもとの仕事を楽しんでいて、現場の保育士に対して「やりたいことをやってごらん、何かあっても私が責任取るから」と言ってくれて、目指す方向性が自分と合っていたら最高です。いざという時に守ってもらえたら、安心していろいろ取り組めますよね。やってごらん〜と言いながら、やろうとしている最中から首を突っ込んでくる園長もいますし、気分で保育に入ってきて職員を叱りつける(子どもが聞いてるから止めて…)という園長も実際にいるので、要注意ですが(笑)見極めが難しいんですよね〜実習や見学だけではやっぱりわからないと思います。
 
―社会福祉法人・株式会社・学校法人といった法人格による違いは、どう感じますか?
 
それぞれの良さがありますよね。あくまで自分の経験にはなりますが社会福祉法人は給与面で恵まれている印象ですし、株式会社は自由度が高い感じはしています。どちらにしても園長の考え方と合うかが、キーになると思っています。そう考えると、配属先の希望を出せるかどうか、何かあった時に異動できるかどうかも、重要になってきますよね。あとは組織が大きくなると、本部と現場の考え方にズレが生じやすかったりもします。園長と分かりあって働いていたら、本部が採用して送り込んできた人が昔の保育しか知らない人で「抱き癖がつく」と言ってきたときには、びっくりしましたね。
 
前編に続いてまさに経験者は語るエピソードですね、ありがとうございます。ひまわりさんが「保育って楽しい」と思う瞬間を聞かせてください!
 
子どもはやっぱり可愛くて、一緒にいると楽しい存在です。私は歌が好きで、休日は合唱の活動もしています。保育園ではよくわらべうたを歌っています。元職場の園長が教えてくれたのですが、歌える人がいなくて私の特権になっています(笑)子どもたちが「歌って」と言い寄ってくれて、私も「歌いたい」気持ちで歌って、反応がある。みんな幸せだなーと。
若い保育士を見ていて「本当に保育士の仕事好きなのかな?」と思う人もたまにはいます。とりあえず資格を取って、資格を取ったから保育士として働かないといけないという気持ちで、仕事として割り切っている人。「子どもたちのためにどうなのかな?」と正直思うこともあります。若いうちは無理せず、取得した保育士資格に縛られず、別の仕事を見てもいいのでは?と思うことも。別の業界やお仕事を知って、保育に戻りたいと思った時にまた戻る、でも全然いいじゃないですか。私たち大人がワクワクできること、楽しいと思えることが、一番大切なことだと思います。
 
【ひまわりさん×保育のひとコマ】
今、担任している一歳児クラスの子ども達が大好きなわらべうた「やすべえじじい」に使うたぬきです。ペットボトルのふたの音が心地よいんです!(ひまわりさん)
 
キャリアアップとして主任にチャレンジしたい!と思い行動した転職もあったと伺いました。主任を務めてみて「やっぱり自分は現場で担任したい」と気付き、今に至るとか。前編インタビューでもそうでしたが、「やってみる」を大切にしている方だと感じました。やってみて、違うと思ったから別の道を選ぶ、極める。本来一本道などないはずです。そんなことを改めて気付かせていただいたインタビューでした。ひまわりさん、この度は貴重なお話をありがとうございました!
 
(2021.11 聞き手・編集:鏡味)
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