menu
ほいくえVoice

【vol. 50後編】信頼の土台で、いい方向に進めていく

更新日:2023.4.10|0(2週間) / 103(累計)

Myyさん
30代 保育士歴11年目
公立保育園勤務
     
Myyさんのインタビュー前編はこちら
 
―保育士を目指したきっかけが「親子もの」が好きだったから、と前編で伺いました。保育業務の中で保護者対応もされていると思うのですが、意識していることはありますか?
 
その子のことを大事だと思っている、大好きだと思っている気持ちはありのままに伝えるようにしています。
 
―それは保護者としてとっても嬉しいと思います。
 
有り難いことに「我が子を大事にしてくれているMyy先生の気持ち、本当に子どもが好きなMyy先生の気持ちが伝わります」など、嬉しいお言葉をいただくことも多く、そのような言葉はお守りみたいに大切にしています。それと朝の受け入れ、夕方のお迎えでも、対応の仕方を少し変えているような気がします。
 
―どのように分けているのか、気になります…!
 
受け入れの時は子どもメイン、お迎えの時は保護者メインで対応している感覚です。登園時不安が大きいのは子どものほうなのかなぁと思います。「家にいたかった」「ママやパパともっと一緒にいたい」とか、子どもの気持ちがありますよね。一方で降園時は子どもが楽しく遊んでいて、保護者の方は「今日我が子は保育園でどんな風に過ごしたかな」と気になっているのかなぁと。どちらの想いにも寄り添いたいと思っています。お迎えの時はお子さんの方が遊びに夢中になっていて「これが終わってから…!」とすぐに帰ろうとしないことも多いので、そんな時は保護者の方となんて事のない話や悩み相談にのったりしていると時間的にも丁度良いです。第一印象で少し話しにくそうだなと感じる保護者の方でも、話してみたら意外な一面があったりして、対話って大事だな、先入観は良くないなと日々実感します。
 
前編でも感じたことですが、いつでも相手目線に立ったコミュニケーションですよね。そういった姿勢、心がけはずっと前からですか?
 
学生時代にやっていた、接客のアルバイトが役立っているのかもしれません。ディズニーの「ホスピタリティ」「夢を与える」世界観が大好きで、実際に関連施設でアルバイトをしていました。日々の接客でも相手のことをよく考えるよう努めていました。
 
―ホスピタリティって大事ですよね。
 
保護者対応があると話すと、友人に「保育園はクレーム対応が大変そう」「モンペとかいるの?」などと言われることがあります。日頃のコミュニケーションができていれば、たとえ何かアクシデントや行き違いがあったとしても「この先生は普段からよくやってくれている。だからこそ、何か事情や想いがあったのではないか」という信頼の土台で、いい方向に進めていけるはずだと思っています。連絡帳や電話、挨拶の時の目線や声のトーン一つとっても、日頃のコミュニケーションの積み重ねは一番大事にしたいです。
 
―すごくしっかりされていますね。素晴らしいです!いまは転職活動も視野に入れ、他の保育園も見ていると伺いました。
 
公立保育園は異動が多く、人の入れ替わりも激しいんですね。そこにいる園長や主任の考え方、その年のメンバーで、保育方針もガラリと変わります。私はいまの職場で3園めです。
1園めは一斉保育色が強い園でした。活動は基本的にすべてクラス単位で、子どもを導くことができない、寝かしつけを上手くできないと責められるような感じで。厳しい園長のもとで、鍛えられて良かった点もたくさんあります。でも常に監視されているような気がして、子ども達のことは大好きだけれど、職員との人間関係で悩むことが多く、新人で色々な面で未熟だったので、悔しくて一人で泣くこともたくさんありましたね。
2園めは「主体性を尊重した保育」に園一丸となってチャレンジする園でした。市のモデル園に選ばれたことも後押しになり、どんどん保育が良くなりました。時代の流れ的にもこういった保育に変わりつつあるのかな〜と前向きな気持ちで保育をしていましたね。自分が本当にやりたい保育ができて、仕事に行くのが楽しみで仕方ない、まさに天職だと胸を張って言えるような素敵な職場環境でした。
 
―1園め、2園めを経て3園めがどのような環境なのか気になりますね。
 
それが1園めの時代に逆戻りしたような、一斉保育色が強い保育現場なのです。「主体性を尊重した保育」が子どもにとっても保育者にとっても、いいことしかない!と実感していた私にとっては「あれ、同じ市なのにちょっと違う…主体性の保育が全然浸透していない…」とカルチャーショックで。
 
―いまの職場で「主体性を尊重した保育」を目指すのは難しそうですか?
 
私が主任や園長など役職者だったら可能性はあると思いますが、一担任だと正直なところすぐに実現するのは難しいと思っています。そしてこれから何十年と異動のたびに同じような苦労をするのかと思うと、今の仕事(公務員保育士)に拘らなくても良いように思えてきまして。外に目を向けるいい機会だと思い、この1年はとにかくいろいろな保育現場を見てみようと動き始めているところです。今の園を変えていくにしても、前の園との比較や意見ばかりを述べるよりも、実際に毎月色々な現場に行って学んでいるんだと資料付きでイキイキ楽しそうに話した方が説得力もありますよね♪
 
Myyさん、インタビューにご協力くださりありがとうございました!リアルな声をたくさん聴かせていただきました。保育も子どもも大好き、より良い保育を追求したいという気持ちが終始伝わるインタビューだったと思います。
 
【Myyさん×保育のひとコマ】
新人時代、金曜日に果物屋さんや生ジュース専門店で搾りたてのジュースを飲んで帰るのがささやかな楽しみでした♡
写真は当時のお店ではありませんが、偶然出会ったお気に入りの生ジュース専門店です♩(Myyさん)
 
MyyさんのTwitterはこちら
 
(2023.2 聞き手・編集:鏡味)
  • この記事をシェア:

その他のほいくえVoice