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ほいくえVoice

【vol. 22前編】夢中で、全力で遊ぶ

更新日:2021.12.13|3(2週間) / 529(累計)

フル君
30代 保育歴8年目
私立認可保育園勤務
 
−フル君が保育士になろうと思ったきっかけをお聞かせください!
 
大学卒業後、保育とは全く違う仕事に就きましたがいろいろなことが重なり、転職を意識するように。転職しようとした時にまず感じた事は、目立った資格がないということでした。息長く仕事をしようと思った時、資格があれば、大きな武器になる。そう考え、自分に合う資格探しを始めました。
過去を振り返った時、「人が好きな自分」「子どもが好きな自分」「人の成長を見るのが好きな自分」に気付いたのです。それに加え、中学生のときに参加した保育体験で、子どもたちと遊んだこと。子どもたちと密接に関わるのがすごく楽しかったこと。前職で新人育成に携わり、出来ないことが出来るようになった後輩の姿を目の当たりにして、自分のことのように嬉しかったこと。そんなことを両親と振り返っていくうちに保育士の仕事をしようと決めました。
資格を取る為、夜間の専門学校に3年間通い、昼間は保育補助の仕事をすることに決めました。
 
 
−保育学生としての学生生活は、いかがでしたか?
 
昼間は保育園で保育補助として働き、夜は養成校の授業で、大変でしたね。毎日が睡魔との闘いでした(笑)それでも保育学生のうちから、保育補助として経験を積めたことは良かったと思っています。保育士資格を取る前から、学んだことを実践できる場があることは有り難い。
保育学生の間に、6ヶ所ほどの保育園で働かせて頂きました。様々な現場を経験出来た事で、良い面も悪い面も含めて沢山の事を学ぶことが出来ました。そしてその現場での経験が自信にも繋がり、保育士人生のスタートに活きたと思っています。いま思えば、保育学生の時、実習以外に働く場があった事で、仕事を始めてからの不安の解消やギャップを埋める事が出来たと思っています。
 
 
−実習とは別の機会で、多くの現場に触れられるというのは貴重ですよね。
 
実習の時は評価を気にして、日誌を書くことに注力していましたよねぇ。。日誌のためにいっぱいメモするぞ!と意気込んでいました。上手く書けなかったらどうしよう、評価が悪かったらどうしようと思うと怖かった。頭の中が日誌!日誌!日誌!日誌!となってしまって、遊びどころじゃない、と。見かねた先輩保育士が「メモは置いて、遊びましょうね」と諭してくださいました。いま振り返ると、何時に活動した、昼食をとった、お昼寝をした、起きた、といった具合のメモでも良かったと思います。遊びながら、見られるところを見る。子どもたちと夢中になって遊んだり関わったりしていたら「あの時、あんなことをしていたな」と印象的だったこと、一人ひとりの様子やエピソードは後からついてきます。子どもたちと全力で遊ぶことは、今でも信条にしています。
 
−夢中で、全力で遊ぶフル君と一緒に遊ぶ、子どもたちも楽しいでしょうね。
 
保育者の全力は子どもたちにも伝わり、「この先生と一緒だから、心から楽しい」気持ちになります。遊びたい気持ち以外にも、子どもたちの想いを常に受け止められる存在でいたい。「聞いてよ」「聞いてよ」の気持ちにも応えてあげたいし、子どもたち同士のトラブルでは保育者が裁判官になってはいけないと思っています。「何してるの」「そんなことをしたら、ダメでしょ」ではなく「どうしたの?」から、やり取りを始めたい。子どもの言動には理由が必ずあるので、その理由を一緒に紐解いて共感して、理解したいです。
 
−心身ともに受け止める姿勢が、素晴らしいと思います!
 
子どもたちをまず受け止めることで安心感が生まれ、信頼関係につながると思っています。保育は信頼関係がないと成り立たない。こちらがそういう姿勢でいたら、子どもたちだって私たち保育者のことを受け入れてくれるようになる。そうやって保育での信頼関係は強固に築いていけると思っています。
 
−やりたい保育をするために、大切な心構えはどんなことでしょうか?
 
自分が衝撃を受けた言葉があります。それは「失敗したらいいじゃん。子どもたちに失敗を惜しみなく見せられるくらいのほうが、子どもたちにも受け入れてもらいやすい。そしてより人間味のある自分として、子どもたちと接することができる。」ということ。
また、保育者が失敗を恐れず出来るかどうかは、環境も大きいと思っています。私は、こうした考え方の園長と出会う事が出来た。「失敗しても大丈夫」という安心感を感じる事が出来た。だからこそ、思い切った挑戦も出来ますし、柔軟性や創造性を持って日々、過ごせるようになりました。
 
「失敗を恐れない保育」のご経験、是非後編でお聞かせください!
 
【フル君×保育のひとコマ】
子ども達と一緒に作ったお家です。一緒に作るからこそ、どんどん遊びの輪が広がります。(フル君) 
 
フル君のTwitterはこちら
 
(2021.9 聞き手・編集:鏡味)
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