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(特別号)【教員Voice vol. 2】たくさんの目で、さまざまな視点で

更新日:2021.9.9|26(2週間) / 139(累計)

村山久美さん
40代 保育士養成校 教員
 
−村山さんは現在3つの養成校を掛け持ちされているとお伺いしました。学校ごとに感じる違いはありますか?
 
カリキュラムや行事といった教育内容の特色もさまざまですし、それぞれに学生のカラーも感じます。オープンキャンパスやHPで分かることが多くあるので、保育士志望の方は是非いろいろ見て選んでほしい。多くの保育観に触れられる環境や、在学中に現場をたくさん見ることをおすすめしたいです。
 
−学内で多くの保育観に触れるコツってあるのでしょうか?
 
教員数は一つ物差しになりそうです。関わる教員がたくさんいれば、それだけ保育観・教育観が聞けるでしょうから。
 
−現場を見ることが大切というのも、保育観醸成のためでしょうか?
 
はい、「自分の目で見てピンとくる」保育を見つけてほしいと思っています。私自身、最初の就職先が自分の保育観・教育観に合わず、非常に苦しかった経験があります。教育色の強い、カリキュラムがみっちり組まれた幼稚園に入職したのですが、子どもたちが大人の顔色をいつも伺いながら過ごしていました。たまに自由時間ができても「何をしていいのかわからない」「やることがなくて暇」という子どもたちの様子を見て、その職場はすぐ辞めてしまいました。
 
−村山さんは実習指導もされているとお伺いしました。実習に臨む保育学生にはどんなアドバイスをしていますか?
 
「子どもの表情、保育者の表情を見るように」と伝えていますが、できたら「同僚性」も見てきてほしいです。職員間で連携ができているかどうか、情報共有が十分にされているかどうか。これらが不十分だと、子どものためにはなりません。保育学生には保育未経験だからこそ見えるものがあるので、感じたことや考えたことは主張してほしいなぁとも。ただ闇雲に主張するのではなく「それによって何が得られるのか」「子どもの利益になることかどうか」という視点で考え、伝えてみてほしいです。
 
−実習中に自分の考えを持ち伝えてみる、というのは、実習先の現場が寛容でないと難しい感じがします。
 
仰るとおり、養成校と実習先施設との歩み寄りが不可欠です。以前保育実習中に、保育内容についてふと指摘をした実習生がいました。その学生からしたら「もっとこういう風にしたらいいのになぁ」と、ごく自然に湧いた想いだったようですが実習先施設から「実習生のくせに生意気な!」と反感を買ってしまい、全部D判定(不合格)で帰ってきました。とても優秀な学生だったのに、保育士になることもできず人生が大きく変わってしまい…。養成校と実習受入施設で評価基準にズレがあると、実習生が育たない、良い保育者になれない恐れがあります。現在私の研究活動の一環として、現場の保育者と共に「何ができたらAなのか」「何ができなかったらCなのか」といった共通の指針作りに取り組んでいます。保育は多種連携の仕事だと思っていますので、経験年数や資格の有無だけでなく、栄養士や事務職など、保育学生も含めて、保育士以外の関係者皆で「それぞれの立場だから見えること」を尊重して考えていく姿勢が必要だと思います。
 
−村山さんが今後の保育業界に期待する姿をお聞かせいただけますか?
 
「保育士が長く働ける環境」がもっともっと整うと良いです。同じ保育士が同じ園に長く勤めているというのは、子ども理解の上でも、保育理解の上でも非常に大事だと思っています。「保育士が長く働ける環境」作りのためにできることはまず、保育者が話し合える環境作りでしょうか。「ねえねえ聞いての精神」と私は呼んでいるのですが、保育者同士が些細なことでも逃すことなく伝え合い、たくさんの目で、さまざまな視点で子どもを見ることにより、一層子ども理解も深まるのではないかと考えます。結果、それが子どもの利益につながるであろうと考えています。
 
−ねえねえ聞いての精神、素敵ですね。最後に保育学生へのエールもお願いします!
 
「好きなことを今いっぱいしてほしい」と思っています!音楽が好き、漫画が好きなら、その気持ちを大切に、一生懸命になってほしい。いつか保育士として役立つ日が絶対に来ますから。ピアノが苦手でも、気にしすぎないように。
 
【村山久美さん×保育のひとコマ】
研修講師としてもご活躍されている村山さん。神奈川県主催、保育士試験合格者対象の言語研修時のお写真をご提供いただきました!
 
 
教員としてのお仕事に加えて、研修講師を数多く務め、さらにプライベートでは子育て支援の活動もされています。とてもアクティブな姿に「村山さんはモチベーションをどう保っているのですか?」と不躾な質問をしてしまった編者です!汗 本当に支援を必要としている人に手を差し伸べることが大切だ、という亡きお母さまからのご助言と、ご自身が「孤育て」で大変だった実体験が源になっていると伺いました。とっても頼もしくお優しい村山さんのもとで、保育学生の皆さんも心強く希望を持って勉学に励まれているのではないでしょうか。村山さん、この度は貴重な機会をありがとうございました!
 
村山さんが主宰する子育てグループはこちら
 
(2021.8 聞き手・編集:鏡味)
 
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