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(特別号)【経営者Voice vol. 13後編】子どもたちの幸せを願い、守る場所

更新日:2023.10.16|35(2週間) / 121(累計)

日向美奈子さん
40代 保育園運営株式会社 統括園長
 
日向美奈子さん(以下日向さん)のインタビュー前編はこちら
 
―日向さんが運営している保育園では、どんな保育者の方が活躍していますか?
 
私たちの保育園は経験の有無、経験年数ではなく人柄を見て採用をしています。入社してからがスタートだと思っているので、チャレンジ精神のある方にはフィットすると思います。
またSNS配信に力を入れているので、20代の保育者が比較的多いです。TiktokやInstagramを見て園見学に来ていただいたり、面接を受けていただいたりということが多くなっています。
 
―SNSの投稿から和気あいあいな雰囲気というか、皆さん自然体で楽しそうだな〜という印象を持ちました!働きやすさについては何か取り組まれていますか?
 
社員にとっての働きやすさってなんだろう、ということはずっと考えていて、給与面を改善したり、休日を増やしたり、社内表彰制度を設けたりと制度を整えてきました。ただそういった制度的なものだけでなく、横のつながりや、コミュニケーションの量を増やすことも大切なのではないかとある時気付いたんです。
 
―横のつながり、コミュニケーションの量ですか。
 
若い保育者にとっては「それいいね!と承認し合う」とか、「ありがとうを伝え合う」とか、一緒に働く人との分かち合いが、長く楽しく働いてもらえるのではないかと思ったので、感謝を伝え合う取り組みから始めました。
介護業界の方と話しているときにサンキューカードの話を聞き、うちでもやってみようと。思いの外好評だったので、紙に書いて渡すスタイルから、現在はコミュニケーションツールを使ってアプリ上で共有できるようにしています。やり取りは全社員が見ることができて、リアクションや拍手をすることもできます。
 
前編でも、保護者から保育者に感謝を伝えられる仕組みがあって好評と伺いました。私的なやり取りを見られるのは恥ずかしい、といった声はないのでしょうか?
 
全くないですね。保護者から感謝のメッセージが届くシステムは、自分自身にしか届かないようになっています。
横のつながりについては、同期で集まる食事会や、現在全体の1割に満たない人数の男性保育士の合宿なども、会社が費用負担して推奨しています。
 
―なるほど、すごく参考になります。日向さんはいま大学院で学ばれているとお伺いしました。
 
短大で学んでいたときは、幼稚園教諭と保育士の資格をただ取るためだけに通っていたように思います。養成校を出たばかりの職員と話していると、自分が学んできた保育と全然違うなぁ!そういう保育をやってみたいなぁ!と思うんですよね。面白いなとか、すごいなとかいろいろな気持ちがあって、私も最新の保育を学びに行こうと思い、大学に編入したのがきっかけです。
 
―大学院というと、研究活動もされているのですよね。
 
学術的に保育の学びを深めていきたいです。経営側の視点、保育者としての視点に加えて、学術的な知識を持って、より良い保育に向けて統括していけたらと思っています。
 
―最後に、保育業界がこうなってほしい!と展望していることはありますか?
 
日本の保育ってすごく素晴らしいと改めて感じています。ただ、留学中の娘が「親(日向さん)の仕事を英語で説明するのが難しい」と言っていたんですよね。キンダーガーデンでもなく、ベビーシッターでもなく、ナーサリーでもない。複数の大人が子どもたちの幸せを願い、守る場所が保育園なのですが、これって日本の素晴らしい文化の一つなのではないかと思います。HOIKUという言葉があってもいいのかもしれません。そういった場所がこれからも維持され、続くことを願っています。
 
【日向美奈子さん×保育のひとコマ】
実際にオフィスにお伺いしました!
 
日向さん、貴重なお話をありがとうございました!園見学も受け付けているそうなので、気になる方は是非足を運んでみてください。
 
(2023.8 聞き手・編集:鏡味)
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