menu
  • TOP
  • ほいくえVoice
  • (特別号)【園長Voice vol. 6前編】保育園の見極め方をお教えします
ほいくえVoice

(特別号)【園長Voice vol. 6前編】保育園の見極め方をお教えします

更新日:2023.2.27|8(2週間) / 187(累計)

城本有理さん
40代 保育士歴15年目
企業主導型保育 園長
 
―城本有理さん(以下城本さん)は保育現場以外にもさまざまなご経験があると伺いました。
 
短大で保育を学んだあと、まずは銀行員として就職しました。その後お料理教室の講師、飲食店を展開する企業のマネージャー職などを経験し、保育業界に参入しました。保育園では園長職の他にも、数十園を統括する本部でのお仕事も担当しました。
 
―とても多彩なキャリアをお持ちなのですね。新卒で保育士として働くことは考えなかったのでしょうか?
 
学生時代は保育施設等でのボランティアやアルバイトに明け暮れていました。保育の仕事も魅力的ではあったので、すごく迷っていましたね。一方で他業界で働いてみたいという憧れも大きかったのです。「保育士として働くチャンスは今後もあるはずだ」と思い、新卒時は狭き門と言われる金融業界でチャレンジしてみようと思いました。
 
―さまざまな業界経験を経て保育現場に来られて、感じることはありますか?
 
保育士こそ、保育業界以外の仕事を経験したほうがいいと思います。新卒で保育士にならなかった同級生は私以外にもう一人しかいなかったですが、とてもいい経験を積めたと思っています。
保育現場以外の現場や仕事を知れますし、ビジネスマナーや社会常識なども自然に身につきます。いまは保育士不足もあり、保育の現場って少し甘くない?と感じることも正直あります。「年度いっぱいまで居てほしい」「子どもたちだって、先生のこと大好きだから辞めないでよ〜」などなど、結構強く引き止められることが多いじゃないですか。保育園の外にはもっとシビアに評価される職場だってあるのだということを、知っておいてもいいと思っています。
何よりそういった経験を積むことができたら、保護者対応もさらに良いものになるのではないでしょうか。
 
―保護者対応に課題感を抱く保育者の方は多い印象です。
 
保育所保育指針が改定され、保護者支援がより重要なものとなってきました。私は「これからは子どもが好きというだけでは、保育士の仕事は通用しませんよ」という警告だと受け取っています。ただ保護者支援、保護者対応って養成校でもあまり深く教えられない部分ですよね。改めて保育現場で一から学ぶしかない、にも関わらず、その体系が整っていない保育施設も多いように感じています。
 
―保護者支援の重要度が高まる中、それは保育現場で学ぶ流れになっているということで…経験が浅い方にとっては職場選びが大事そうです。どんな保育園を選ぶのがいいのでしょうか?
 
それはもう、私の保育園が一番ですよ!皆さん来てください!!…というのは半分冗談ですけれど(笑)保育園は園長次第、トップが変われば園の雰囲気も職員もガラリと変わります。
保育園を見る時のポイントは3つあると思っています。まず1つめは園内研修に力を入れているかどうか。職員みんなが「やりたい保育ができている」「保育のスキルが向上している」感覚を持って働くために園内研修は必須だと思います。2つめは園長と合うかどうかですね。ただこれはすごく分かりにくい。見学や面接対応の経験が豊富な園長だと、一枚も二枚も上手、感じよく見せるのが得意だったりします。3つめはその保育園内での離職率がどうか、です。以前数十の保育園を運営する会社の本部にいた時に、各園の離職率を見ていましたが、同じ会社内でも離職率の様子は全然違いました。規模が同じでもA園では一年で10人も辞めている、一方でB園ではほとんど辞めていない、など。
 
―その違いはどう分析していますか?
 
繰り返しになりますが「やりたい保育ができている」「保育のスキルが向上している」感覚が持てる環境か、が大きな違いだったと思います。あとは業務改善がされているかどうか、ですね。ただ保育業務って多少軽くなっても残業が全くなくなっても、保育者の感覚としては「基本しんどい」なんです。
それよりも人間関係、すなわち皆が同じ方向を向いて「やりたい保育ができている」かどうか。その体制を園長が上手く作れているかがとても大きいのだと思います。
 
城本さん、貴重なお話をありがとうございました!とても楽しく話させていただいて、あっという間でした。後編では園長として心がけていること、保育者やご家庭向けに展開している研修についてお伺いしていきます。
 
【城本有理さん×保育のひとコマ】
職員の質の向上には園内研修が重要ですが、日々の保育、行事、書類などある中でまとまった時間が取れない時は、簡潔かつ分かりやすく個別に実践指導を行っています。その時のポイントは、オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンを有効的に使い分ける事を心掛けています。(城本有理さん)
 
城本有理さんのブログはこちら
 
(2022.12 聞き手・編集:鏡味)
  • この記事をシェア:

その他のほいくえVoice