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(特別号)【園長Voice vol. 6後編】未来ある子どもの笑顔を守るために

更新日:2023.2.27|9(2週間) / 165(累計)

城本有理さん
40代 保育士歴15年目
企業主導型保育 園長
     
城本有理さん(以下城本さん)のインタビュー前編はこちら
 
―現在は企業主導型保育で園長を務めていらっしゃるのですよね。職場でよく言っている言葉はありますか?
 
「心から楽しんで笑おう」ということです。そのために自身の健康を大事にしてほしい、家族や身近な人も大事にしてほしい、恋愛もしようね!と。
 
―恋愛を推奨する園長は、初めて聞きました(笑)
 
プライベートが充実していないと、また自己受容ができていないと、仕事もうまくいかなくなります。保育の場合はそれが子どもに影響してしまいます。「子どもが好き」「子どものために頑張りたい」という純真な想いは本当に素晴らしいのですが、時としてそれが重荷になってしまい、無意識のうちに自己犠牲をしてまで頑張ってしまう保育者も見てきました。そうならないための「心から楽しんで笑おう」「プライベートも大事にしよう」なのです。
保育の仕事は専門性を活かして「プロとして」の目線も必要な仕事だと思っていますが、それだけでなく「人間として」の目線、人間力を磨くことも同じくらい必要な仕事だと思っています。
 
―人間力、感覚的に大事だということはわかります。職場で目に見える形に落とし込むことは難易度が高そうです。
 
以前勤めていた会社では、評価制度を整えました。評価項目は「プロとしての観点」と「人間力としての観点」に分けて設けました。この評価制度を立ち上げることも、保育現場に浸透させることもすごく大変だったのですが、運用できるようになるとメリットのほうが多いです。
 
―評価制度が確立されたのは素晴らしいですね。メリットについて聞かせてください。
 
チェックリストが明確なので、評価される保育者も自分の保育力のどこが足りていないのか見えやすいです。そして等級が上がれば給与も上がり、自己肯定感やモチベーションの向上にも繋がります。できていないこと、足りないところを指摘されるのが辛い、といった懸念もあると思いますが、見えてきた課題は本人だけでなく職場全体で改善するよう園長と主任などの役職者にも説明しました。
 
―改善を目指すのは本人と、園長や主任といった役職者ということになるのでしょうか?
 
そうです。「できていないよね」「頑張ってね」と個人に伝えて終わり、ではないのです。園長は職員の課題を克服するというミッションを課されます。園長など役職者になると、その評価項目は相当厳しいものになる仕組みになっています。
 
―明確な評価基準を打ち出す、そこで浮き彫りになった課題に保育園全体で取り組む、というのはとても素晴らしいと思いました。
城本さんは園長業務の傍ら、保育者やご家庭に向けた研修事業も展開していると伺いました。
 
保育に特化した保育者向けの研修や、親子で楽しんでいただくアクティビティ、保護者が前向きに育児できるプログラムなど、多岐にわたって開発しています。
 
―園長業務もされて、ご家庭や保育者向けにもイベントを企画されて、とてもエネルギッシュだと感じました。とてもご多忙と思うのですが、原動力はどこから来ているのでしょうか?
 
未来ある子どもの笑顔を守りたい、伸びやかな成長を守りたい、その一心のように思います。これからは大人も子どもも、生きる力が試されると思っています。きっと挫折すること、辛いことや悲しいことも経験するでしょう。そういったとき支えになるのは心から「楽しかった」「嬉しかった」「頑張った」過去の経験だと思っています。「あんなこともあった」「こんなこともあった」「いいことたくさんあったよね」といい記憶を振り返りながら、頑張って生きていくのではないでしょうか。一つでもいい思い出を作るお手伝いがしたい、その気持ちでいっぱいです。
 
【城本有理さん×保育のひとコマ】
毎日、保育の中で心掛けていることは、子どもと職員とのコミュニケーションを十分図り、たくさん笑う事です。保育士が楽しんでいれば、自然に子どもも笑顔になり、保育園の空気も澄んで明るくなるように心掛けています。(城本有理さん)
 
 
城本さん、終始熱意を感じるお話でした。城本さんの頑張る背中は多くの人に元気を与えているのだと思います。貴重な機会をありがとうございました!
 
城本有理さんのブログはこちら
 
(2022.12 聞き手・編集:鏡味)
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