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ほいくえVoice

【vol. 30後編】専門職としての集団とは

更新日:2022.4.11|15(2週間) / 56(累計)

くららべるさん
50代 保育士歴29年目
私立認可保育園 主任
 
くららべるさんのインタビュー前編はこちら
 
―公務員保育士としての勤務、私立認可保育園勤務を経て、4月からは新しい職場に転職されると伺いました。「公立保育園は守られている」という話が出たので聞いてみたいのですが、なぜ守られている環境から敢えて外に飛び出すことにしたのですか?
 
「療育をもっと深めたい」気持ちと、「子どもにとって必要な経験ができない環境へのもどかしい」気持ちが重なった時期だったんです。
 
―「子どもにとって必要な経験」とは?
 
当時お散歩中の保育園児が交通事故の巻き添えになり、死傷してしまう事件が起きた頃でした。その事件を受けて散歩禁止令が行政から発令されました。いつまでもお散歩にすら出かけられない、仕方ないのかもしれないけどこれで本当にいいのかな、と自分自身のあり方を考えるきっかけになりました。
 
―その後転職された保育園は、いかがでしたか?
 
療育に携われる場所を探そうと思って転職活動をしたのですが、なかなかそれも叶わず、いまは一般的な保育園で勤務しています。人間関係はとても良く、そこはとても幸せです。仲が良すぎて「お友達じゃないよ、専門職としての集団に成長しようよ」という話をすることもありますが。だいたい園長や先輩保育士が怖いとか、保育園のあるあるじゃないですか(笑)そういうのは全くないです。
 
―誰かが怖いとか、人間関係が悩ましい状態でも、くららべるさんが気持ちよく働くために心がけていたことはありますか?
 
いじめとか派閥とか、いろいろあったのですが私は本当に嫌で。誰にも媚びず、常に一匹狼タイプできていましたね。
 
―「お友達じゃなく専門職としての集団に」という話も出ました。「仲良しグループ」と「専門職としての集団」の違いはどう考えますか?
 
保育の場合は、自分たちの居心地の良さを追求しはじめたらプロじゃないと思います。保育者は「子どもの最善の利益をつくっていく人」だと思っているので、「子どもたちにとってどうなのか」の視点を持てるかどうかは、大きなポイントになると考えています。
 
―今回の転職先を決める際には、どのようなことを考えたのでしょう?
 
自分が重視したい保育の形ってなんだろう、をまずは考えました。具体的にはやはり療育を深めたい、プライベートでは子育てもあるので家族は大事にしたい、これまでの自分の経験が活かせる形がいい、などです。なるべく私にしかできなさそうなことで力を発揮してみたい、充実させたいなと。
 
―相談支援事業所でのお仕事に、決められたんですよね。
 
以前、保育所等訪問支援(保育所や幼稚園、認定こども園、学校、放課後児童クラブなど集団生活を営む施設を訪問し、障害のない子どもとの集団生活への適応のために専門的な支援を行うもの)に携わっていたことがあります。その時関わった先生方のお困りごとに応えられていた感覚と、自分に向いているような感覚があり、保育士を保育園の外から支えられる人になりたいと思って。自分の強みはそういうところかな、と思っているので、保護者への相談支援に並行して、保育士への支援も春から頑張りたいです。
 
自分の強みや興味が活かせる場所、ご自身の力を発揮できる場所を冷静に分析し、着実に歩みを進める姿に、保育やキャリアに対していつでも誠実な姿勢と、逞しさを感じるインタビューでした。ハンドルネームの由来を聞いたところ「トーマスですよ!」と教えていただいたので、すぐに調べました。笑 息子さんが小さいとき大好きだったキャラクターから来ていたのですね(母の愛を感じます)。くららべるさん、この度は貴重なお話をありがとうございました!
 
【くららべるさん×保育のひとコマ】
「しあわせお母さんプロジェクト」のメンバーに加入し、活動しています。保護者の方と対面でお話しすることはたくさんあったけれど、文章でお答えするのは初めての経験です。文章にする難しさを感じつつも、回答の作成が学びになっています。(くららべるさん)
 
 
くららべるさんが活動するプロジェクトはこちら
 
(2022.2 聞き手・編集:鏡味)
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