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ほいくえVoice

【vol. 38前編】この職場には余白があるか?

更新日:2022.8.15|17(2週間) / 103(累計)

まなみさん
30代 保育士歴7年目
企業主導型保育勤務
 
―まなみさんは最近転職したと伺いました。転職理由をお伺いしてもいいですか?
 
「今日はこれをします!」と決めたら、ただそこに子どもたちを合わせていく保育園に勤めていました。これは不適切なのではないか?ということが他にも野放しにされていて意見してみましたが「まぁ問題はあるのはわかっているけど、新設園なのでまずはひと回りふた回りしたい。急な変化で保育士が離職しても困る。」という反応で。1ヶ月とか3日で辞めていった保育士もいて…その度に訴えてみたけど、改善は見られずでした。
 
―まなみさんのように、保育内容に違和感を抱く保護者はいなかったですか?
 
転園を選ばれたのは一家庭だけで、保護者に内実はなかなか見えないのだなと感じました。とりあえず安全に預かっていれば、怪我など目立った事件もなかったですし。
 
―転職活動はどのように進めましたか?
 
私自身小さな子どもを育てているので、勤務先はなるべく近いほうがいいと思い、近いところから問い合わせて見学に行きました。少人数で、子どもの様子に合わせて柔軟に保育を組み立てようとする姿勢を感じた保育園に転職することにしました。
 
―見学していく中で考えたことはありますか?
 
この職場には余白があるか?ですかね。柔軟な保育も、保育者のねらいを押し付けずに子どもの反応を待つ余白があってこそですし、より長期的に、自分たちの保育を一旦立ち止まって考え直す余白も大切だと考えています。「これは子どもにとってどんな意味がある?」と。初めて正規職員として勤めた保育園は、実働8時間は全て子どもたちと過ごす働き方でした。書類作成などの事務作業は当然後回し、残業や持ち帰り仕事として進めていました。すると日々の業務に追われて保育がやっつけ仕事、とりあえず出来たらよし!という感覚になってしまうんです。余白がなかった。その経験から、見学時には、事務作業の量や進め方について具体的に質問して実態を知る努力をしました。
 
 
―一年前から保育を語り合うお茶会を主催しているとお伺いしました。
 
振り返りの場がない!であれば、外で作っちゃおう!と考えたのがきっかけです。大学院時代の仲間がコミュニティを運営していて、その中で開催できることに。言語化できないモヤモヤでも、正解のない問いでも、安心して共有し、意見交換できる場にしたいと思っています。「そもそも」に立ち戻って保育を振り返る時間は本当に大切だと実感しています。
 
―これを職場内に作るのは難しいでしょうか?
 
うーん…結構難しいなぁと感じています。
例えば職員会議、決めることが多くて、時間が決まっていて、とにかく早く終わらせたい感じがありませんか?ちょっとした疑問を意見すると「長引く!」という声が聞こえてきそうです(笑)研修もインプットが多くて、聴いているだけのことが多くて、言い方悪いですが垂れ流しのような講義もあって、自分の考えや想いをアウトプットできる場ではない印象です。会議でも研修でも空気を読んで気を使って、なかなか意見がしづらいなと。
転職した職場がいいなと思っているのは、休憩中に雑談として保育や子どものことを話している点です。ここなら振り返りの時間を持てるのではないか?と少し期待も持っています。
 
―まなみさんが主催するお茶会では真面目に議論する事例検討会と、ラフに話し合う振り返りの会が催されているのですよね。
 
事例検討会は、事例を聞いてああでもないこうでもないと意見交換して保育観を磨くことを目指しています。振り返りの会ではテーマはなくて、モヤモヤでも引っかかることでも、気軽に語り合おうというもの。「余白」の話に戻りますが、一人だと自分が思う結果が出なかった=失敗と捉えてしまいやすいですが、さまざまな人と「この時の子どもはこうだったのではないか」といった話をしていると、自分の保育から距離が取れて余白が生まれ、見えなかったことが見えてくることも。
 
まなみさん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!後編では保育士になったきっかけ、印象に残っている出来事やご自身の育児についてお伺いしていきます。
 
【まなみさん×保育のひとコマ】
勤務園は徒歩圏内からは少し出てしまい、子乗せ自転車を購入。そのおかげで、余力のある日はお迎えついでにちょっと図書館まで足を延ばすなんてこともできるように。(まなみさん)
 
まなみさん主催のお茶会ブログTwitterはこちら。
 
(2022.6 聞き手・編集:鏡味)
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