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ほいくえVoice

【vol. 29後編】家庭もキャリアも欲張りたい

更新日:2022.3.21|3(2週間) / 190(累計)

こはさん
30代 保育歴8年目
社会福祉法人運営の企業主導型保育施設勤務
 
こはさんのインタビュー前編はこちら
 
―これまで4つの保育施設で勤務してきたとお伺いしました。いろいろな保育者に出会ってきたのではないでしょうか?
 
そうですね、いろんな人がいますよね。
 
―こはさんにとって「この人素敵だな」と、良い影響を受けた保育者はいらっしゃいますか?
 
初めて保育園で働いたときの園長です。事情があって出会ってから1年ほどで退職してしまった園長でしたが、「子どもは仲間だから」が口癖の方でした。
 
―子どもは仲間だから、初めて聞きました。
 
子どもは仲間だから、保育者も一緒に楽しみながら、子どもと共に遊びながら保育しよう!というメッセージやスタンスを貫いている方でした。子どもの行動や言葉に気づくことが大事だ、そういったサインを拾える保育者になることが大事だよということも話してくださいました。初めて入職した保育園でその園長に出会えたからそのスタンスが今も生きていて、ここまで来ることができた気もしています。いまの職場は子どもが多いですが、先生見て!と声が聞こえればその子のところへ行き話を聞いたり、離れた場所からでも私の方を見ている子どもに気付いたときには目配せしてみたり、意識するようにしています。
 
―ファーストキャリアでどんな人に出会うか、誰から学ぶか、というのはとても重要なことだと改めて思いました。こはさんは保育者としてこの先、どのようなキャリアを考えられているのでしょう?
 
保育の仕事をしてきて、疲れたな…と思ってしまい、保育を離れた時期もあります。それでも学べば学ぶほど保育は素晴らしいし、理想の保育を追求したくなる気持ちも。保育業界がもっと良くなるといいなということも、切に願っています。
いつか自分の保育園を持ってみたいと考えていたこともありますが、子どもたちだけでなく、保育者や保護者といった大人たちも生き生きと過ごせる環境を作っていきたいと考えるようになりました。
 
―子どもも大人も生き生きと、大事なことですよね。
 
この目標を実現するのに、私にとってどういった働き方が最善なのか、いまははっきりこれ!というものは見つかっていません。経営者や園長を目指すのがいいのか、主任の仕事が一番近いのか、本部の仕事を経験してみるのがいいのか。まずは既存の概念にとらわれず、キャリアの選択肢を見定める気持ちで保育に関わってみたいと思ったので、今回は柔軟な働き方を期待して、株式会社運営の保育園に転職することにしました。
 
―常に考えながらキャリアと向き合う姿勢が感じられます!保育の仕事をしていて、楽しいときはどんなときでしょう?
 
これまで関わってきた子どもたちはみんなかわいくて大好きです。自分で持ち味なのかな?と思っているのは、気難しいと言われる子や、居場所を見つけづらい子が心を開いてくれたり、頼ってくれたり、来てくれたりすることが多いことです。子どもたちの安全基地になれているのかなと感じられると、心から嬉しくなりますね。
 
―こはさん、お話していても笑顔が絶えないですもんね!
 
癒やしの波動が出ている、と言われることもあります。笑
 
―キャリアの話に戻りますが、そういったお話は旦那さまとも話すのでしょうか?
 
はい、時折「腹を割って話そうよ!」と持ちかけて、二人でじっくり話し合ってきました。いまはお互いの実家から離れた場所で、共働きで暮らしていますが、将来子どもを持ったら働く場所はどうする?とか、どんな働き方ができるだろう?は、一番考えます。
 
―こはさんは今後チャレンジしたいことが見えてきているところですし、考えることはたくさんありそうです。
 
一人じゃないので思いきったことができない、できる範囲が限られてしまうのは、もどかしさも正直感じています。私は家庭を幸せにしたいのはもちろんですが、保育士としてのキャリアも諦めたくないなぁと。母からは「二兎追う者は一兎も得ずだよ」なんて言われることもありますが、欲張りたいと思ってしまいます。家庭もキャリアも大事にしたい!というのが今の気持ちなんです。
 
【こはさん×保育のひとコマ】
自宅の観葉植物コーナーです。植物の緑にとても癒されます!丁寧に接するといきいきする姿をみると、保育と似ているのかなと感じます!(こはさん)
 
こはさん、貴重なお話をありがとうございました!20代のときはキャリアのことを考える余裕もなかったそうですが、ご結婚されて、30代になり、キャリアについて真剣に考えるようになったそうです。悩ましいのは、ご自身やご家族のキャリアに向き合っている証拠だと、丁寧に言葉を選んで伝えてくださるこはさんの姿から、とても感じました。欲張りたい!というお言葉がありましたが、欲張ろうとしていいと思います。こはさんらしい道が拓けることを、期待して応援しています。
 
こはさんのTwitterはこちら
 
(2022.2 聞き手・編集:鏡味)
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