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ほいくえVoice

【vol. 35後編】子どもの可能性を引き出していく

更新日:2022.6.20|0(2週間) / 177(累計)

めぐみさん
20代 保育士歴2年目
児童発達支援事業所勤務
     
めぐみさんのインタビュー前編はこちら
 
―放課後等デイサービス(障がいのある、また発達に特性のある就学年齢の子どもが通う施設。以下放デイと略)、児童発達支援事業所(障がいのある未就学児が通う施設。以下児発と略)での勤務経験があるめぐみさんですが、特に印象に残っているお子さまはいますか?
 
10ヶ月間ほど支援したAくんです。当時年長だったAくんは重度の知的障がいがあるお子さまでした。「ひらがな」や「書字」を取り入れてほしいとお母さまから要請があり、Aくんに合うプログラムを考案して実践。ひらがなマッチングや模写等のプログラムをAくんが好きな活動の中に組み込むことで、少しずつかつ楽しく、ひらがなという形を認識できることを目指しました。
お母さまも障がい告知を受けて戸惑われていましたが、「先生が親身に関わってくれたから、障がい児の母として少しずつ変わっていけた」という言葉を伝えてくださいました。Aくんがお母さまと「まつともせんせい(めぐみさん) ありがとう」のお手紙を書いて渡してくれたときは、とても嬉しかったです。
 
―めぐみさんが努めて支援することでAくんが変わり、お母さまも変わり、というのは嬉しい変化ですよね。
 
私自身も、Aくんに変えてもらったと感謝しています。Aくんと接する中で「もっと自分にできることってないのかな」「子どもたちにもっともっと還元できる自分になりたい」と考えるように。Aくんがきっかけとなり、社会福祉士になるための学校に通い始めました。まもなく修了予定ですが、その後は言語聴覚士になるための勉強をしたい。それに向けた準備も進めています。
 
―保育士のみならず、社会福祉士と言語聴覚士とは。学びを深められていますね。
 
施設でのお仕事は、とても面白いです。保育の知識だけでなく、療育や発達障害など、学ぶべきことは多岐にわたります。子どもたちも「打てば響く」というより、私たちが「引き出していく」というイメージのほうが近いです。
一人ひとりと丁寧に向き合うことで、自分も変われるきっかけをもらえます。言葉を伝えてくれた瞬間の感動は、何ものにも代えがたいです。子どもたちからもらえるものがたくさんある仕事だとも、感じています。
 
―向上しながら、楽しみながら、丁寧にお仕事を進めているめぐみさんの姿が想像できます。転職を控えているということも、お伺いしました。
 
言語聴覚士の資格を取りたい、夜間の学校に通える職場にしたい、が出発点です。学びを深めたい気持ちと、利益追求が過ぎる現在の職場の運営方針に疑問を持ち、転職活動を始めました。次の職場も児発になります。
 
―転職活動はどのように進められたのでしょうか?
 
「次も児発がいい」と思って検索したら、通勤できる範囲でも20施設ほど出てきました。
 
―選択肢は結構あるのですね!迷ってしまいそうです。
 
私は20施設全て話を聴きに行きました。それで自分が考えていることと、気になっていることを質問して、絞り込んでいきました。
 
―「ここは合わない」というところも、気付くことができますか?
 
注意深く見ていると、気付けますね。前編でもお伝えした通り「問いを自分の中で持つ」ことが大事だと思って、私は心がけています。面接時に「私たちには経験があるから、絶対にわかる!」と豪語している社員の方を見たときに、ここはないな〜と思いました。
 
―次に行く職場では、どのように働く予定でしょう?
 
現場勤務もしながら、マーケターの仕事も担う予定です。ライター経験があり、マーケティング職を務めたこともあります(経験多彩!)。そういった経験も活かして、施設を出た子どもたちが大人になったときにも、何らかの手助けができるものを構築したいという展望があります。その一歩だったり糧になるような経験だったりをチャレンジできそうなので、頑張りたいです。
 
【めぐみさん×保育のひとコマ】
Aくんからもらったお手紙です。(めぐみさん)
 
めぐみさん、この度は貴重なお話をありがとうございました!勉強熱心で、エネルギッシュで、優しくて、とても素敵な方でした。「子どもたちに還元できる自分でいたい」と、いつも子どものことが真ん中にある方だと感じました。今後のご活躍を期待しています。
 
めぐみさんのブログブログ②Twitterはこちら。
 
(2022.5 聞き手・編集:鏡味)
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