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(特別号)【園長Voice vol.2後編】信頼し合える家族のように

更新日:2021.7.26|15(2週間) / 66(累計)

もりもりさん

保育歴 16年目  30代

企業主導型保育園 園長

 

インタビュー前編はこちら。


―3年前、ご自身で保育園を立ち上げられた経緯をお伺いできますか。

 

元々自分の園を持ちたいという願望はあり、既存園で学んでから考える計画でした。結局前園は学ぶことが多く10年も在籍しました。そこは、保育に関しては本当に素晴らしく、まさに子ども主体の保育でした。しかし、職員にとっては働きやすいかというとそこに関しては疑問でした。よりよい保育を追求するためにはサービス残業も辞さなかったですね。子どもにとっての良い環境と職員の働きやすさは共存できないものかと考える日々の末、今こそと立ち上げを決心しました。

 

―保育の素晴らしいと思うところは十分に取り入れつつ、さらに職員の処遇改善に努めようと踏み切ったのですね。保育への想いは前編で伺いましたが、職員の処遇改善に関して取り組まれている所はどのようなところでしょう。

 

まずは風通しを良くすることです。私へも誰へでも、保育所の環境をより良くするためであれば、何でも言い合える雰囲気を心掛けています。そして、子ども達同様、職員も一人ひとりが主体であると思って接しています。なので信頼して、やりたい保育は大方各職員に任せています。もちろん何をしてもいいというわけではありませんが、自分たちの志す保育と同じ方向性でさえあればいいと思っています。また、職員に何かを提案され、それに対し自分も含め特に誰も意見できないのであれば、その時点ではそれがベストなんだと考えます。どの職員の意見も柔軟に取り入れるようにしています。

 

―職員の皆さんは、信じてもらうからこそ応えて励みたいと思うでしょうね。

 

職員に対して私は基本的に適材適所でいいと思っていますし、厳しく律するのもナンセンスだと思っています。誰しも得手不得手があり、書類が苦手なら誰かがカバーすればいい、製作が得意なら率先してやればいい、掃除だってそう。何事も最低限必要なレベルはあるにせよ、全てにおいて同じようにやれる必要はないのです。また、人ってもともと責任感を持っている生き物ですよね。特に保育士を志す人は尚更それが強いと思います。なので「厳しく言って責任を持たせる」と律する考えは私にはありません。前園はそこが厳しい園でした。でも不思議と、今のやり方の方が期限を守れないことがほぼないのですよね。

 

―どんと構えた、非常に頼もしいお考えに思います。

 

保護者に対してもまた似たことが言えます。保育士と保護者の垣根をなるべく低くし、フラットな立場にしたいと考えています。上から指導するという意識は全くなく、あくまで同じ目線で子どもを育てる一員。なんなら遠い親戚くらいに思ってもらえるといいです。園での様子をいつもざっくばらんに話し、なんなら目の前でお子さんを叱ることもあります。登降園時、時間が許すのならコーヒーでも飲みながらお喋りしたいとも思っています。

 

―保護者の方にとっても第二の家のような温かい場所ですね。

 

そう思ってもらえるといいですし、その方がこちらも楽ですね。変に肩肘張らなくていいですし。また、保護者支援の一環として、お子さんを家庭で育てやすい子にするのも一つの大きな目指すところです。子どもにはできるだけ園で発散できるよう働きかけています。園で存分に体を動かしたり好きな遊びに打ち込んだりする。また、思い切り泣いて主張できるようにする。そうして発散することで、家に帰ってからはスッキリし自然と落ち着いてくれるのです。それが忙しい保護者にとって大助かりかと思います。よく、その逆がいいと言われますよね。外では社会性を備え良い子で、家では甘えをしっかり出すべきだと。ですがそれで家庭が大変になり子どもが可愛がられなかったら元も子もありません。そういう意味でも子ども達には、我が園では家庭の延長のように思ってのびのび発散してほしいと思っています。おかげさまで、入園してから子どもが家庭でかなり落ち着いたとのお声を頂いています。

 

―ますます心強い、家族のようなサポートですね。もりもりさんのように熱い想いを抱え自園の立ち上げを目指している方もいらっしゃるかと思います。そのような方へ何かメッセージを頂けますか?

 

とにかくまずは動いてみることですね。例えば役所に行って話をしてみると、どういった園がこの地域に求められているのか見えてくる。そこで自分のやりたいことと求められていることが一致したら、じゃあ他に何が足りないのかを順に考えていく。動いてみると何かしら見えてくるのです。また、自分の理想とする保育というものを初めから完璧に描けていなくてもいい、運営していくうちに見えてくるものだと思います。どうして園を作りたいと思ったかの理由だけはしっかり持ち、求められているものを見定め、一致したと思えばあとは前進あるのみです!

 

 

立ち上げて3年。これまで職員が足りなかったことも、保護者から大きなクレームを受けたこともなかったということ。ひとえに、園長先生であるもりもりさんのお人柄ゆえだと感じます。また、もりもりさんの次なる目標としては、園の近くの空き家に子育て広場なるものを作ることだそう。広く親子が集える場や、急な小学校生活に戸惑う子がホッと帰れる場にしたいとおっしゃいます。もりもりさんの人柄と行動力を持ってしたら、そこに手を貸す人も必ず現れ、どんな夢でも叶えられるのだろうなと信じられます。保育士としてより前に人として、大変学び多きお話を頂きました。この度は誠にありがとうございました。

 

〈もりもりさん×保育〉

自由保育を展開する環境の一つ。アートルームです。

 

(2021.06 聞き手・編集:土屋)

 

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