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ほいくえVoice

【vol. 51後編】見てみる前にイメージを持とう

更新日:2023.5.1|3(2週間) / 104(累計)

あかりさん
30代 保育士歴18年目
私立認可保育園勤務
 
あかりさんのインタビュー前編はこちら
 
―新卒で幼稚園教諭として勤務し、妊娠を機に保育の現場から離れたとお伺いしました。復職するときは幼稚園ではなく保育園を選ばれたのですね。
 
子育てしながら幼稚園で働くって、全く想像できなかったです。
 
―特にどの辺りに難しさを覚えていたのでしょう?
 
一番は一人担任制であることですね。数十人の子どもを一人で、一体どうやって担任していくのだろう?働けるのかな?という感じでした。その点複数担任が可能な保育園が、魅力だと感じました。なのでわが子を預ける場所としての保育園探しもしつつ、自分が働く場所としての保育園探しも進めていましたね。
 
―あかりさんがどんな観点で職場を探されたのかも、気になります。
 
見学をする中で、園児がのびのび過ごす姿が印象的な保育園に出会ったのです。園庭も広くていい環境だなぁと思ったことも覚えています。わが子をここに預けるのもいいな、自分がここで働くのもいいなと悩んだのですが、子連れ出勤不可だったので、その保育園は自分の勤務先として確保しました。子どもは子どもで別の保育園にお世話になり、いい時間を過ごせたと思っています。
 
―いまの勤務先でしょうか?
 
それが違うのです。正規職員として働くなかで育児との両立、また学びを深めたい想いがあり、時間の融通に重きを置きたくなりました。そしてそれをきっかけに、派遣保育士に転向しました。派遣保育士を経て、現在は別の保育園で正規職員として勤務しています。
 
―さまざまな保育園を経験されているのですね。自分に合う保育園はどうやって見つけたらいいと思いますか?
 
いろいろ見てきて、また働いてみて思うのは「自分がどんな風に働きたいか」を、まずイメージすることがとても大事なのではないかということです。
 
―「見てみる」より「考える」ほうが先だということでしょうか?
 
そうですね。リアルなイメージが先にないと、選びようがないです。「こんな保育がいい」「こんなところで働きたい」の希望や条件が複数出てきたら、今の自分の優先順位を整理することも必要だと思います。その中で一番大切にしたい。というような軸というか、芯というものがあれば、働く候補となる保育園を見たときの判断は迷いにくくなるのではないかなと思います。
 
―芯を持って見てみる、とても大切なことだと思いました。
 
私自身、芯がなくて苦労した経験があります。保育理念に共感できると思って入職したのですが、現場に入ってみたら「あれ?ついていけない!」となってしまった。自分自身の想いとか、本当にやってみたいこと、働く上で大切にしたいことが整理できていたら、違ったのかなと思います。あと自分の直感やフィーリングも大事ですよね。その職場がどんな評価や評判だったとしても、自分が合う!働いているイメージが持てる!これだ!と思うのなら決め手になるのではないか、と。
 
―リアルな体験談をありがとうございます!あかりさんが「こんな保育ができたら楽しい!」と思うのは、どんな時なのでしょう?
 
幼稚園、保育園と、なぜかずっと幼児の担任をしているのですが、今年度8年ぶりに乳児、しかも0歳児の担任をしています。0歳児も可愛くて、とてもやりがいがありますが、私自身は創り出すことが大好きなんですね。幼い頃から母とアクセサリーを手作りしたり、縫い物を楽しんだりと、ハンドメイドが身近だった影響かもしれません。だから子どもたちと何かを創り出せるような、そういった時間を過ごせるのが好きなのだと思います。0歳児を担任していてそういった機会が減った感覚があるので、反対に「あぁこういうことが好きなんだ」と改めて気付けたと思います。
 
―何かを創り出す保育、とっても素敵だと思います。最後に、保育をするときに心がけていることをお伺いしたいです。
 
子どもと同じ目線に立つ、ということです。アイデンティティや役割として必要とは思いますが、「先生」にはなりたくないとも思っています。人と人として、対等に一対一の関係を築きたいですね。0歳児のお子さん相手でもお給食の後は「お口を拭いていいですか?」、お散歩のときは「こっちに行こうと思うんだけど、どうかな?」など、言葉がけは欠かさないようにしています。
 
あかりさん、後編もありがとうございました!とっても明るく笑顔が絶えないインタビューとなりました。保育園ではどんな人と言われますか?と聞くと「一番よく言われるのは、いつも笑っているよね、ということですかね」とのこと。本当にその通りだと思いました。
 
【あかりさん×保育のひとコマ】
月に1度自然学校のボランティアスタッフもしています!
小さな頃から断然海派!の私は、ここで子ども達から山や森、川の魅力を教えてもらっています。もちろん海の魅力も。
この間行った御嶽山!登ったあとは良き疲れでした。(あかりさん)
 
あかりさんのInstagramはこちら
 
(2023.3 聞き手・編集:鏡味)
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