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ほいくえVoice

【vol. 17後編】大人が輝ける保育園

更新日:2021.9.20|4(2週間) / 87(累計)

ディーせんせい

30代 保育歴9年目

社会福祉法人認可園勤務

 

ディーせんせいの前回のインタビューはこちら

 

−ディーせんせいのコミュニケーションの心がけ、素晴らしいです。同じ職場で働く保育者もそのような姿勢なのでしょうか?

 

あんまり僕みたいなのは、いないですよねぇ。あっちでもこっちでも良い顔して、苦しくなっている人もいます。僕も嘘つかない、着飾らないを徹底できないこともありますし、愚痴を言いたくなるときだってあります。それでも「誰に聞かれてもいいことしか言わない」というのは、絶対に守ろうと決めていることです。

 

−自分との約束ということですね。ディーせんせいの職場で、問題だと感じるコミュニケーションはどのようなところでしょう?

 

「こうしなきゃいけない」感が強いというか、トップダウンでかつ「失敗を許さない」雰囲気があるところです。何か良くないことを起こしてしまったときに園児のことを気にかける、保護者へのフォローを考えるより「園長に怒られる、ヤバいな」「報告するのめんどくさいな」が先に来てしまう。

何か提案したときにも矢継ぎ早にいろいろ聞かれてしまう、その結果否定されてしまう環境だったとしたら、もう相談したくない、失敗したくないと思いますよね。こんな環境で、やりたい保育にチャレンジできるのかな?というのも疑問です。数々の失敗を経験し、失敗の価値に気付くべきだ!失敗したときこそナイストライ!を実感している僕としては、理想と現実のギャップに苦しむことが多い職場です。

 

−保育の現場における、理想と現実のギャップはいつから感じてきたのでしょうか?

 

最初の1,2年は初めて保育の現場に触れ、とにかくがむしゃらでした。書類の多さとか、行事の準備の大変さ、保護者対応、ちょっとのケガでも対応がいろいろあること、病院に行くときの手続きや書類。「子どもと遊ぶだけの仕事じゃない」ということを理解して入ったつもりだったけど、事細かいことを知りこんなに大変なのかと。当時はサービス残業持ち帰り仕事も当たり前で、入職してすぐに感じるギャップはたくさんありました。それでも「保育以外のことはできないから」という思いでなんとなく毎日。「いじめをなくしたくて保育士になった」自分のことは、すっかり忘れてしまっていたんですよね。

 

−「いじめをなくしたい」という本当の想いを、保育とつなげたいと改めて思ったのはいつだったのでしょう?

 

一年半前です。SNSを始めていろんな保育者の方と出会って、学びの機会もたくさんあって。保育をどっぷり学びだしたのもこの頃からです、恥ずかしいですけど記事に書いてもらっていいですよ(笑)

 

−いじめをなくすために、ディーせんせいがいま思い描いていることはどんなことなのでしょう?

 

いじめをなくすためのアプローチとして、保育士の僕が考えていることは2つあります。

1つめは保育者のコミュニティを作りたいです。僕も引きこもりの時に家に通ってくれた友人の存在や、大学時代から行きつけのバーという居場所に支えてもらった経験があるので、何かしらの居場所を作りたい。悩んでいる人、出会いがない人、行く場所がない人が集まれる居場所、弱音や悩みをただただ吐き出せる場所。吐き出したらスッキリして、一週間くらい、次の会合までは頑張れるかもしれませんが、それだけでは、その人の人生も環境も変えられないんです。ですので2つめの目標は「大人が輝ける保育園」を作ること。大人が楽しく輝けることが一番の土台だと思っているので、「大人が輝ける」を保育理念にシンプルに大きく明示したいです。大人が輝くのに一番必要なことは「否定をしないコミュニケーション」だと、考えています。大人が輝いて、余裕を持って意欲的に働くことができたら、子どもたちは〇〇先生みたいになりたいな、やりたいこと一生懸命やろう、挑戦したいことがたくさんあるぞ、と思えるのではないかと。そうしたら誰かの揚げ足取ったり悪口を言ったり、いじめがなくなるのではないか、そうなるといいなと思っています。

 

【ディーせんせい×保育のひとコマ】

趣味のキャンプ。1人で焚き火を眺めたりお酒を飲んだり。気持ちをリフレッシュさせられることが1つでもあるといいんじゃないかなって思います。(ディーせんせい)

 

「いじめをなくしたい」という強い思いがひしひしと伝わるインタビューでした。その思いが芽生えたきっかけは、支えてくださったお母様の存在。偶然一人で泣いている姿を見て「自分が一番辛いと思っていたけど、こういうことがあると大事な人たちを巻き込んでその人達まで傷ついてしまうんだ」と感じたところから始まっているそうです。辛い過去を自分のために、誰かのためにつなげていく。ディーせんせいの強さと優しさを感じました。9月にはこのインタビューでも語ってくださった夢を発表する機会があるそう。陰ながら応援しています!頑張ってくださいね。

 

ディーせんせいのTwitterはこちら

 

(2021.6 聞き手・編集:鏡味)

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