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ほいくえVoice

【vol. 33前編】興味を育み、人生豊かに

更新日:2022.5.23|1(2週間) / 167(累計)

なっとさん
20代 保育士歴3年目
小規模認可保育施設勤務 
 
―なっとさんが保育士になろうと決めたきっかけから、お聞かせください!
 
小学6年生のときに、職場体験で母園に行ったことが最初のきっかけです。私自身保育園が大好きな子どもだったのです。広い園庭と森があり、木登りや虫採りをしたり、すずめを追いかけたり、のびのびと自由に遊んでいました。
 
―保育士になって、一番楽しいと思うのはどんなことでしょう?
 
大人だったら絶対発想できない遊び方とか、面白い瞬間が見られるのは、本当に楽しいです。最近もとても面白いことがありました!石が大好きなAくんは、公園に行くと必ず石を握りしめているんですね。Aくんがブランコに乗ろうとしたとき、隣のブランコに石を置き、自分もブランコに乗り「これは石のブランコだよ〜!」と。可愛い姿に和みつつ驚きました。
 
―石のブランコ!想像力豊かですね〜!!保育学生だった時のこともお伺いしたいです。入職前は実習以外に、現場を見る機会はあったのでしょうか?
 
大学3年生から保育園でアルバイトをしました。いろいろな保育士の方と出会えたこと、さまざまな保育観を知れたことは保育学生の私にとってありがたい体験でした。ただ残業や過多な業務に追われ、肝心の保育に集中できていない、保育士の方がいつも疲れ切っていて…保育士の働く現実をまざまざと見た感じでもありました。なので就職活動をするときには「自分の思い描く保育に近いこと」と「働きやすさ」を重要視するようになりました。
 
―就職活動の軸をしっかり持てたのは、いい経験だったのかもしれませんね。
 
ここ!と思って決めた就職先も、実は一年目で辞めているのです…。保育学生の就活は平行することができません。もらえる内定は一つまでで、断ることも学校から推奨されない雰囲気があり、内定に対する回答期限がとても短いことも。いいかも!と思った保育園を見学した際、園長から「今面接を受けることを決めないと希望者がたくさんいるから、もう受けられなくなるよ」と言われました。大事なことだからこそ迷ってしまって、焦ってしまったのかもしれません…今思うと。保育学生の方にアドバイスするとしたら「とにかく焦るな!」と伝えたいです。就職先はたくさんあるのでいろいろな保育園をよく見て、本当にここがいい!と思えるところに決めてほしいです。
 
―よく見て、というと何を見たらいいのでしょう?
 
私が一番反省しているのは「一日でも保育に入ればよかったのかな」ということです。現場に自分の身を置いてみて、合うのか合わないのか見たらよかったなぁと。
 
―入職してみて気付いたギャップ、違和感があったのでしょうか?
 
面接の場では仲のいい職場だと聞いていましたし、そういう印象を受けました。でも実際には入職後の研修で、質問に来た一年目保育士の悪口を言っている場に遭遇してしまった。「普通ああいうことしないよね〜」という先輩保育士の会話を聞いたら、職場間違えちゃったかも、私も一年目だったので質問しづらいなと感じました。
 
―それは辛い…!そういう雰囲気や後輩への接し方はもしかしたら、一日でも現場体験をしていたら感じ取れたかもしれませんね。
 
保育内容も、自由保育だと聞いていたのですが、現場に入ると「んん?」と思うことがあって。使うおもちゃの遊び方にルールを定めて、それを守らせようという面が強かった。例えばかごと魚のおもちゃがあって、魚同士をくっつけて、それをかごに入れて遊ぶのが、オーソドックスな遊び方だったんですね。ある日Bくんが、このかごの編み目に魚を差し込んでいました。夢中になって楽しんでいたのですが「それは違うよ」「このおもちゃはこう遊びましょう」と言って止めてしまう。私もその時どうにもできなかったのですが、「興味のあることを育むことが、人生を豊かにする」と思っている今は「あれでよかったのかな」と考えてしまいます。大人が答えを持っている遊びよりも、子どもが考えた遊びを大切にできる保育者でいたいということは、意識しています。
 
なっとさん、貴重なお話をありがとうございました!インタビュー後編では、1つ目の保育園を退職された後のこと、とても素敵だといういまの職場のことをお伺いします。
 
【なっとさん×保育のひとコマ】
インタビュー内でお話したAくんの相棒のブランコに乗っている石です。(なっとさん)
 
なっとさんのブログTwitterはこちら。
 
(2022.3 聞き手・編集:鏡味)
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