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ほいくえVoice

【vol. 25前編】自分だったらどうするだろう?

更新日:2022.1.31|0(2週間) / 217(累計)

野北ちかさん
40代 保育士歴10年目
認定こども園 リーダー
 
―野北ちかさんは子どもにも大人にも優しい、前後・裏表リバーシブルTシャツを保育士・母親の視点で開発、保育士業の傍ら新規事業として立ち上げられています。ちかさんが保育士になろうと思ったきっかけをお聞かせください!
 
大学を卒業したら、民間企業で会社員として働きたいなぁと思っていました。「高校卒業したらどうする?」っていうときに、きっとどの学科でも会社員にはなれると思いましたので、保育科だったらいつか自分の育児にも役に立ちそうと思って進学を決めたんです。他の先生方のように、きっかけが全然美しくないんです。だからあまり大きな声で言えないんですけど(笑)卒業後は幼稚園教諭を6年間、その後別業界で数年間働き、10年前から保育士として働いています。
 
−民間企業での就職を希望していたちかさんが、幼稚園教諭として就職したのはどうしてだったのでしょう?
 
一番印象に残っている出来事は実習です。朝から晩まで気力体力を使い果たして、帰ってからは記録を書くのが大変で。一方あそびや活動など、何をするにも、子どもたちの成長のために担任がこまやかに考えている点がすごい!という発見がありました。自分だったらどうするだろうとワクワクする気持ちが湧き上がってきて、幼稚園教諭になりました。
 
−厳しさを目の当たりにして、体感してもなお「挑もう!」と思える精神が素晴らしいですね。幼稚園教諭と保育士を経験されていて、違いをどう感じていますか?
 
幼稚園教諭の6年間は結構ハードでした。心身共にクタクタの毎日、持ち帰り仕事と、保護者対応にも頭を抱えることも多かったです。ある日好きな食べ物を食べたところ(タコの刺身だそうです)蕁麻疹が出て、「あぁ疲れているんだなぁ」と。そこから一旦外に出ようとパソコンや一般事務の勉強をして、全く別の仕事に就きました。3人の子どもを育てながらの働きやすさという面をとって、母になってからは保育士の仕事を選択しています。幼稚園と保育園の一番大きな違いは一人担任か複数担任かという点。一人でよりも誰かと、チームで何かしたい、一人きりで全部やるのはドキドキするという方は保育士のほうが向いているかもしれません。あとは子どもの滞在時間が長い中で作業をするのが保育園、午後に子どもが降園して、職員室で作業を進める時間もあるのが幼稚園という違いもあります。それともう一つ、幼稚園は夏休み冬休みにまとめてお休みがとれるというメリットもありました。
 
−いまは2歳児クラスの担任をされているとお伺いしました。
 
はい、昨年に引き続き2歳児クラスです。その前は3・4・5歳児の縦割りクラスを担任していました。年長児ということで行事のプレッシャーもあります。業務時間以外も常に子どもたちや保育や行事のことをどこかで考えているんです。テレビを観ても「このダンスお遊戯会で使えそう」とか、休みの日でも「どんな作戦で保育していこう」とか。それで、勤務先には若い先生方もたくさんいるので次はちょっとゆったりと保育したいなと。心と身体に少し余裕が持てたので、新規事業にチャレンジできたというのもあります。
 
−新規事業のことは後編でじっくりお伺いしていきます!保育士の仕事がいいなと思うときは、どのようなときですか?
 
20歳のときに担任していた子どもたちと最近Facebookで再び繋がれて、私のことを覚えていてくれたことに感激しました。卒園してからずっと年賀状のやり取りがある子もいます。大人になっても、どこかに自分との時間が刻まれているって、すごく素敵なことだと思います。人の成長に携わることができて、影響を及ぼすことができる。子どもに関わるってすごい仕事だなぁとやり甲斐を感じます。
 
野北ちかさん、貴重なお話をありがとうございました!Tシャツの開発秘話は後編に続きます。
 
【野北ちかさん×保育のひとコマ】 
予想外に早かった老眼のせいで、細やかな作り物にはため息が出ます。スリルのある運動会の表に立つのもできれば避けたい。一方、幼い頃からピアノを習っていたのでピアノは得意です。この業界から離れた時にパソコンの勉強もしましたのでパソコンも得意です。みんな得意不得意があるのです。帰ってピアノの練習とかしなくていいよう、ピアノは得意な先生が弾けばいい。時は金なり。みんなで得意分野を発揮する、そんな保育が理想です。(野北ちかさん)
 
野北ちかさんのTwitterInstagramはこちら。
 
(2021.11 聞き手・編集:鏡味)
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