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ほいくえVoice

【vol. 26前編】保育士は文化を伝える仕事

更新日:2022.2.14|0(2週間) / 229(累計)

まいちゃさん
20代 保育士歴6年目
企業主導型保育 副主任
 
―まいちゃさんの「派手髪」をTwitterでお見かけし、一度お話聴いてみたいとオファーさせていただきました!今日の髪型もおしゃれでとっても可愛いですね!派手髪はいつからですか?
 
高校卒業後からです。全部紫とかピンクとか、派手髪の保育学生でした。実習の時はもちろん黒髪にしていましたよ(笑)入職してから派手髪は封印していたのですが、最初の職場を退職して、しばらく保育はやらないかもしれないと思ったので、インナーを緑にした髪型に。その時期に先輩が立ち上げた保育園の見学に行くことになり、「いいじゃんいいじゃん!そういう大人の姿も必要だと思う!」と言ってもらえたので、今はその保育園で派手髪保育士として働いています。
 
−最初の職場に就職したきっかけも、お伺いしていいでしょうか?
 
実は気付いたら決まっていた、なんとなく決めたという感じなんです…。養成校の担任とその職場の園長が知り合いで「あと一人採用したい」という話があったようです。仲の良い友人もそこで内定をもらっているし、見学に誘われて行きました。流れでそのまま試験を受けて、帰り道で「合格です」という知らせが担任と私に届き、入職することに決めました。最初の職場で素晴らしい保育士との出会いがあり、良い経験や出会いには繋がったと思っていますが、自分がやりたい保育とは違うと感じて2年で辞めました。
 
−見学のつもりが内定、ってすごい話ですね。養成校で学びに励む、保育学生に伝えたいことはありますか?
 
あまりちゃんと勉強していなくて、先生方にすごく迷惑をかけて卒業したので真面目なことは全然言えないのですが…いい保育園に出会ってね!見極めしてね!ということは強く伝えたいです。見学した日に試験を受けて、「内定出たから就職してね」と言ってくる保育園はやめたほうがいい(笑)
 
−いい保育園に出会う、見極めるコツってあるのでしょうか?
 
それがとても難しいことだと思っています。私の一番の関心事は「保育所保育指針に沿った保育所がどれくらいあるのかな」ということ。全て沿うのは難しいかもしれないけど、全然沿っていない、よくない保育を行う保育所も残念ながらあると思っています。そういう保育園に対して正しく指摘する存在がないと、よくない保育をしているところもずっと存在してしまう。指摘するまでできなくても、就職先を探す際に自分自身で正しく評価できる目は持ちたいですよね。乳幼児期にどういう大人と関わってきたかで、子どもの心身の発育、どんな大人になるかは大きく影響されます。保育士って本当に重要な立ち位置にいると思うのです。
 
−重要な立ち位置、本当に仰る通りだと思います。
 
保育士って怖い仕事だなぁと思う日もあります。例えば「片付けはしなくていいんだよ、汚部屋でもいいよ」「お友だちと仲良くしたかったら、肩を強く押すといいんだよ」など、たとえ間違ったことを教えてしまっても、子どもたちは「そういうものなんだ」と納得し、実践し、きっとそのまま大人になるんですよね。思考や生活習慣も含めて「文化を伝える」仕事だと考えると、保育士の仕事は責任重大。重大すぎて怖いなぁと考えてしまう日もあります。
 
−学生時代は真面目ではなかったという話でしたが、今は学びをしっかり深めていらっしゃいますよね。論文を読むこともあるのだとか?
 
勉強熱心な保育士との出会いが大きいです。出会ったとき彼は一年目の保育士だったのですが、ペアで入ると先輩の私にもいろいろなことを教えてくれました。「本はあまり読み進められない」と伝えたら「じゃあ論文がいいですよ」と。論文って要点がコンパクトにまとまっていて、背景や狙いや実施したこと、結論もわかりやすい。意外と読みやすいんです。ずっと感覚派だった私ですが、理論のところも少しずつ取り入れて保育を考えられるようになりました。
 
−感覚も理論も!素晴らしい。
 
感覚も理論も、保育はどちらも大切だと思っています。経験などから語られる感覚的なことも大事、理論で語られる定性的なことも大事。論文などで学んだことや解釈したことをアウトプットするのが苦手ですが、職場でも苦戦しながらも伝える努力はしているところです。
 
後編では副主任として努めていること、おしゃれについてお話伺っていきたいと思います。
 
【まいちゃさん×保育のひとコマ】
色水遊びが始まった中で「これはどうかな?」と落ち葉を試した子がいた。大人は答えが分かりきっていることでも、こども自身の目で確かめることがその子の学びであると考えている。(まいちゃさん) 
 
まいちゃさんのTwitterはこちら
(2021.11 聞き手・編集:鏡味)
 
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