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(特別号)【園長Voice vol. 7前編】働きにくさを見える化する

更新日:2023.5.22|1(2週間) / 144(累計)

はなうたさん
30代 保育士歴10年目
小規模認可保育園 園長
 
―はなうたさんは保育士歴10年目、今年度から園長を務めていると伺いました。初めに保育士になったきっかけをお伺いしたいです。
 
短大で保育を学び、幼稚園教諭になりました。私が見てきた幼稚園の現場は教育的要素が強く、自分には保育園のほうが合っていると考えたのです。保育士として働きたいと思い、保育補助として働きながら、独学で保育士資格を取得しました。
 
―そうだったのですね!私も独学で保育士試験を受けたので、親近感です。働きながら、大変なことも孤独もあったと思いましたが、頑張りましたね。
 
念願叶って保育士として保育園で働き始めるのですが、ブラック保育園に何度か就職してしまいました。
 
―ブラック保育園とは?ブラックと言っても、いろいろありますよね。
 
配置基準として明らかにアウトな職場もありましたし、園長に同僚や保護者の前で怒鳴り散らされたこともあります。転職したらお局保育士以外が一斉退職していて、クセのある保育士以外何もないまま保育をしたことも(とても酷い状況なため、数ヶ月で辞めたそうです)。休憩が満足に取れずサービス残業・持ち帰り仕事も当たり前、業務に使う備品が自腹、という職場もありましたね。「先生方のお仕事に無理がないのか、ご負担が大きくないのか、心配です」と保護者の方から声が寄せられたこともあります。
 
―それは、お辛かったですね。
 
何を信じたらいいかわからなくなったり、トラウマになったりもしました。
 
―いまの職場はいかがでしょうか?
 
おかげさまで、とてもいい職場で働くことができています。
 
―いい職場に巡り合う秘訣があるのなら、是非お聞かせいただきたいです!どんな風に職場探しをしたのでしょう?
 
今まで働きにくいと思ったこと、嫌だと思ったことを全てノートに書き出しました。例えば前の職場には車通勤で片道90分かけていました。それを「次は車通勤で30分以内がいい」といった具合に、自分特製のチェックリストを作成しました。
 
―自分特製のチェックリスト、「働きにくいな〜」「なんか楽しくないな〜」のなんとなくが、明確になって良さそうですね。自分が大切にしたいことの優先順位も付けられそうです。
 
私の場合は「車通勤30分以内」という目安がひとつ見えたので、該当する保育園全てに電話をして採用活動をしているか、問い合わせをしました。そして採用活動をしていた保育園には全て見学に行きました。
 
―行動力がすごいですね!
 
見学できたらチェックリストを照らし合わせて考えたり、質問したりすればいいので、やりやすかったです。そこでいいなと思えた保育園で、いま勤務しています。
 
―見学時に何を見たらいいのかわからない、という声も聞きますが、アドバイスはありますか?
 
保育園ごとに常識や保育観、何もかも違うと痛感したのでよく見てほしいですね。保育現場も見てほしいですが、意外と見落としやすいのが法人の姿勢や方針だと思っています。保育現場のことは自分たちの努力で改善できる幅が大きいと感じていますが、法人の姿勢や方針を変えるって難しいのです。であれば、その面で価値観を共有できているかの部分がとても重要だと感じています。
 
はなうたさん、ご自身の経験や思考に基づく貴重なお話をありがとうございました!後編では園長としての心がけ、「選ばれる保育」のために考えていることなどを伺っていきます。
 
【はなうたさん×保育のひとコマ】
保育士の仕事の魅力の1つは“季節を感じられること”だと思います。毎日子どもたちとお散歩に行っては、キレイな花を見付けたり、ドングリを拾ったり、雪に触れたり。いつまでも子どもたちと同じキラキラした瞳で季節を感じられる大人でありたいと思います。ちなみに私は秋が一番好きです。(はなうたさん)
 
はなうたさんのTwitterはこちら
 
(2023.3 聞き手・編集:鏡味)
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