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ほいくえVoice

【vol. 40前編】楽しい場所であること

更新日:2022.9.12|0(2週間) / 157(累計)

そーやさん
30代 保育士歴15年目
私立認可保育園勤務
 
―そーやさんが保育士を志したきっかけから、お伺いしたいです!
 
中学生のときから「保育士になりたい」と思っていました。いとこの面倒を見るのが好きだったり、子どもに関わる仕事をしていた父が「今日ドッジボールして突き指して」と話していたり。「そんな楽しそうな仕事、あるの?」なんて思っていたんですよね(笑)自分自身が通っていた保育園を思い起こすと、楽しい場所ではなかったですが。
 
―幼少期は楽しくない保育園生活を過ごされたのですね。
 
保育士が強い口調で攻めたり、すぐに怒ったり、楽しい思い出が全然ないです。自分は年長児のとき、夢やなりたいものがなくて。卒園前に回答が必要だったのか「なくても書け!」と言われたことも覚えています。嫌な保育園だなーと思っていました(笑)
「自分が保育士だったらこんなことはしない」とは保育士を志しているときから考えていましたし、その経験があったからこそ「保育園が楽しい場所であること」は今でも一番意識していることです。
 
―先ほど「夢がなかった」というお話がありました。保育士になりたいというのが、そーやさんが見出した初めての夢だったということでしょうか?
 
自分で初めて描いた夢は、「海外で保育をすること」だと思っています。大学4年生のときにニュージーランドの保育現場を見に行ったことがきっかけです。
 
―一人で決めて行かれたのですか?
 
講義で海外の保育の様子を聴いたらとても惹かれるものがあり、自分で手配など準備をして、2週間ほど単身で行ってきました。ニュージーランドでタイプの異なる2箇所の施設に滞在したのですが、日本ではできない味わえない経験だと感じました。こういった経験を仕事として、いつか叶えたいと思ったのです。そのためにまず日本で保育士としてしっかり働いて、学ぼうと思いました。
 
―「海外で保育をする」という目標を持っての保育士デビューだったのですね。保育士1年目はいかがでしたか?
 
いやーーー大学で4年間学んできたことがなんにも通用しなくて。新卒で就職してから最初の2ヶ月間は、無力感から毎日胃が痛かったです。
 
―壁にぶち当たるわけですね。
 
20人の4歳児を担任していたのですが、お皿を割る子、着替えたくない子、机の下からなかなか出てこない子、大人の見えないところで友達のほっぺをつねる子、いろんな子どもがいました。全員に向けた言葉がけってどうやってするの?一人ひとり違うのに、やっていけるのかな?と悩みながら、自信も持てない中で無我夢中で過ごしていました。ペアの先生は4年目だったのですが、ぐいぐい引っ張ってくださってとても頼もしかったです。途中産休に入られて、乳児保育20年超という大ベテランの先生が入ってくださいました。「3歳以上のクラスは初めてなのでいろいろ教えてください!!」と言ってくださったのですが、自分は1年目の保育士で「…一体どんな風に接したらいいんだ?!」と、ちょっと戸惑っていました(笑)
 
―あっという間に一年が過ぎていったのかなと想像します。
 
子どもたちとケンカをしたり、至らないところもたくさん見せた一年目だったと思います。保護者の方に「そーや先生でよかった」と言っていただけたり応援していただいたり、等身大で子どもとぶつかり、子どもたちと喜怒哀楽をともにした一年は多くの学びがありました。
 
―保育をするときに心がけていることは「楽しい場所であること」以外にありますか?
 
言葉がけは大切にしていますね。肯定する言葉をかけたり、「大好きだよ」と伝えたり。初対面の子は「大好きだよ」と言いながら実際は大好きになる前だったりもするのですが、言葉をかけているうちに本当にその子のことをどんどん好きに、大好きになる感覚がありますよね。
 
そーやさん、貴重なお話をありがとうございました!インタビュー後編では実際に夢を叶えた海外での保育経験、今後の展望などをお伺いしていきます。
 
【そーやさん×保育のひとコマ】
夢だった海外で働くこと。海外の文化、人との付き合い、風景…すべてが新鮮で日本での既存の常識にとらわれない経験ができました。写真は自宅の窓から見たお気に入りの眺め♪(そーやさん)
 
そーやさんのTwitterはこちら
 
(2022.8 聞き手・編集:鏡味)
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