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礼儀は、日本人の美徳の原点

更新日:2019.6.18|33(2週間) / 54(累計)

礼儀は、日本人の美徳の原点
日本人の生き方の教科書は「教育勅語」
日本人にとっての「生き方の作法」とは何だろうか。
それは「世の為人の為に生きる」ということに尽きると思う。

日本では古より、親が子を育てる時に「世のため人のために役立つ人間になれ」と教え論してきた。
私たちの先祖は、他者のために生きることが、自己の喜びになることに気づいていたのだろう。

自分が他者のために何ができるかを問うのが「和の精神」
そして皆がそのような価値観を持っている社会を「和の社会」という。

和の社会は「分け合う社会」であり、「奪い合う社会」の対局にあるもので、それが日本社会の最大の特徴といって良い。

和の精神は、他者を尊重することを基本とする。
茶の湯などに見える日本人の礼儀作法の真髄はここにあると言える。
そのような和の精神を持って生きることが、日本人にとっての「生き方の作法」なのではないかと思う。

そしてそのことが端的に書かれたのが、明治天皇が渙発なさった「教育勅語」ではなかろうか。
日本人の修身道徳の根本規範として大切にされた「教育勅語」には、先人たちから伝わる「立派な日本人の生き方」が書かれていて、明治天皇自身がまずそれを行うので、国民も一緒に行おうと呼びかけるものである。


その内容は、正に我々の先祖たちが年長積み上げてきた英知の結晶であり、極めて創造的である。
その教えとは、まず
①親孝行しなさい
②兄弟は仲良くしなさい
③夫婦は仲睦まじくしなさい
④友達同士は信じあいなさい
⑤自らの言動を慎みなさい
⑥周囲の人を愛しなさい
という、人として大切なことから始まる。

次に、
⑦勉強しなさい
⑧職業を身につけなさい
⑨知能を啓発しなさい
⑽徳のある人になりなさい
社会人として大切なことを述べた上で、それを
11 世のため人のために使いなさい 
と教えている。

そして、
12 憲法を重んじなさい
13 法律を守りなさい

この教えこそ、先人たちが積み上げて悟った、日本人の生き方の作法と行って良いであろう。
特に注目したいのは次の四点である。

第一に、親孝行であること。
親がなければ子はない。
つまり、今私たちに命があるのは親が産み育ててくれたお陰であるから、親に感謝の気持ちを持つことは、人として最も大切なことなのである

そして、親にも親があるのだから、親を大切にすることは、すなわち先祖を大切にすることであり、それは大自然の恵みに感謝することにも繋がる。
いくら、功績があっても人間性に優れていても、親を大切にしない人は人間として価値はないと考えて良い。


第二に、兄弟を始め周囲の人たちと睦び和らぐことを教えているところである。
他者を尊重し、他者の為に何ができるかを考え実行するのが「和の精神」であり、その考えを実行する先に、周囲の人たちとの「和」を実現することができる。
そして、皆がそのような生き方をすれば、お互いが響きあう理想的な社会となるであろう。

第三に、自己を高めて、それを皆が「自分の為に」使ったなら、それは分け合う社会とは対局にある「奪い合う社会」になってしまうだろう。

それを皆が「世の中のため人のため」に使ってこそ、和の社会が実現するのである。

第四に、国の危機に当たっては勇気を持って尽くすことを述べている点。
日本人にとっての幸せは、日本という国があってのことである。
もし先の対戦で、日本がソ連・米国・中国によって三分割されていたらどうなったであろうか。

これまで日本人が一つの国を守ってきたことは、日本人にとって日本国が存続していることが、最大の福利であると信じられてきた結果である。

今の生活があるのは、親のお陰であると同時に、周囲の人たちに助けられ、大自然の恵を頂き、そして国家に守られていうお陰でもある。

常に感謝の気持ちを持ち、他者を尊重し、世のため人の為に役に立つ為に、自らを磨き、いざとなったら公のために尽くせることが、日本人としての美しい生き方であると教えている。
これこそが日本人の生き方の作法なのである。

「日本の礼儀作法 宮家のおしえ」より
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