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個性を伸ばすには?

更新日:2019.1.23|26(2週間) / 38(累計)

個性を伸ばすには?
日本では、「個性重視の原則」をうたった臨時教育審議会の答申をきっかけに、約20年前から「個性を生かす教育の充実」が言われるようになり、家庭でも学校でも「子どもの個性を伸ばす」ことが重視されてきました。

しかし実際のところ、保護者や先生の中には「個性って何?どうすれば伸ばせるの?」と思われている方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、「個性とは何か」「子どもの個性を伸ばすために、大人にできることは何か」を考えてみたいと思います。
 本来個性とは、英語でいうと「キャラクター」です。
つまり、「穏やか」「明るい」など、その子の性質を指す言葉です。
こうしたキャラクターは、子育ての中である程度修正がきくものです。
例えば内気な性格の子でも、親が他の子どもたちとコミュニケーションをとる機会を与えることで改善していきます。
 一方、現在日本では、その子に向いていることを見出し、伸ばしてあげることを、「個性を伸ばす」と表現しています。
この個性を見出せるかは、家庭では親の観察力にかかっています。
例えば我が子が野球に夢中になっていると思えば、存分に野球ができる環境を整えてあげるのもひとつでしょう。
同時に、その子が将来プロ野球選手になりたいのか、または趣味として楽しんでいきたいのかを子どもとよく話し合うことで、その力をどう伸ばしてあげればよいかも見えてくるかもしれません。

しかし、子供は、産まれたそのときから、既にさまざまな個性を持っています。

「よく泣く子、泣かない子」「よく寝る子、寝ない子」「よく食べる子、食べない子」「よく笑う子、笑わない子」「人見知りをする子、しない子」等です。
今日では「個性」と「特技」が混同されて考えられているのではないかと思っています。

習い事に通って身につけるような類いのことは、どちらかというと「特技」です。
元々その子に備わっている「個性」とは違うことなのです。

もし、その子の「個性」が長所や美点だけであるならば、保育者はなにも苦労しません。

それならば、とりたてて専門性がない人であっても、その子を許容的、肯定的にとらえてあげることができます。
しかし、保育や子育ての中で出会う子供の「個性」とは、実のところ圧倒的に、その子の短所や弱さ、うまくできないところなどのネガティブな部分なのです。
このことは、「個性」という言葉を長所や美点としてとらえる向きが強いので、一般的には見過ごされがちなことです。


保育者のアプローチにより、その子が成長することももちろんあることでしょう。
しかし、その関わりがベストでない場合があることを知っておく必要があります。

子供の成長は、なにも目先の行動ひとつひとつの「できる、できない」だけではありません。
「できる、できない」「成功・失敗」とは、別のところで、心の奥にある「子供自身が物事に取り組もうとする意欲」やモチベーションを、保育者は丁寧に汲み取っていかなければいけないのです。
例えば、保育をしていると必ずといっていいほど「少食」という個性を持った子に出会います。
たいていの保育者は、なんとかその子に少食を克服して、普通に食べられるようになって欲しいと願うでしょう。

そのため、中には「残してはいけません」「ちゃんと食べなさい」「頑張りなさい」といった、子供にプレッシャーをかける方向で関わる人もいます。
逆に、褒めたり、おだてて、あの手この手で食べられるようにしたい、と関わる保育者もいますよね。
しかし、子供にプレッシャーを与えて関わろうとも、優しく関わろうとも、その子がその保育者からもらっているメッセージは実のところ同じ。

「ああ、たくさん食べられない自分はダメだと思われているんだな......」
と思っているのです。
つまり「食べられるようにしてあげよう」という関わりを、最初からすれば、その子は否定のメッセージをもらうことになるのです。
たとえその子がたくさん食べられるようになったとしても、こうしたアプローチでは、自己肯定感までは伸ばしてくれません。
その子はその大人の期待に応えるために「頑張った」にすぎず、自分の自発的な意欲によって成長したわけではないからです。

個性の尊重=その子の欠点も含めて、ありのままに受け止めることが大切でしょう。

このように、保育で出会う「子供の個性」とは、圧倒的にその子の欠点なのです。

ですから、「個性の尊重」という言葉を考えたとき、
それは本来「その子の欠点ですら、ありのままに受け止めてあげること」を意味します。

もしそのことを理解し、子供に接することができるようになったなら。
「子供が頑張ってできたこと」や「子供を頑張らせてできたこと」ではなく、子供が自身の意欲やモチベーションから自然な成長を遂げ、屈託のない達成感を味わっている姿を見ることができるでしょう。

「できない自分ですら受け止めてもらえた」と思えたとき、子供は大きな自己肯定感を感じることができます。
それは、これからの人生のさまざまな場面において、ものごとに挑戦したり、乗り越えていこうという意欲・モチベーションとなっていきます。これが、ものごとをやりぬく力といった、いわゆる「非認知能力」の土台となるのです。

一方、逆にその子が、もし家庭や学校で「○○できるようにする」という関わりばかりをされて、ありのままの自分の個性を受け止めてもらえなかったとしたら。そういった人生を前向きに歩んでいけるような「生きる力」を育てることができないかもしれません。

だからこそ、こうした力を育ててあげられるかどうかは、目先の「○○をできるようにする」ということよりも、はるかに大きなことなのです。

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1月以降個別の面談になりますので
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